言葉の持つ「印象」にご用心
選ぶ言葉が印象形成に影響します
A
- 協調性がない
- 優柔不断
- 空気が読めない
B
- 自主性が強い
- 慎重
- マイペース
AとBでは、同じような事象を表現している言葉を並べましたが、そこから形成された印象にはずいぶん差があったのではないでしょうか。
面接でよく聞かれる質問に「長所と短所はなんですか?」というのがあります。正直に答えるのはよいことですが、「優柔不断でなかなか決められないところです」といった答え方をしてしまうと、印象で損をしてしまうことがあります。こういった質問には、ポジティブな印象を与える言葉に変換すること、そして将来改善するつもりがあることを伝えることがマストです。
例えば、短所が優柔不断である場合には「慎重過ぎて決断に時間がかかることがあるので、少しずつ直しているところです」と答えましょう。
このテクニックは、過去の失敗談、前職の退職理由など、ネガティブ要素を含む質問すべてに応用できます。ポジティブ変換+改善を意識して、事前に回答を用意しておきましょう。嘘はいけませんが、印象を管理は大切です。
印象を良くしたいなら○○を伝えよう
温かさが伝わるエピソードを探しておこう
限られた時間、しかも緊張する採用面接のシーンで自分が温かい人だとアピールするのは難しいもの。そこで、質問の回答に温かさが伝わるようなエピソードを付け加える方法をご紹介します。
例)自己紹介をしてください
解答例)自己紹介のほかに、祖父母と同居していることを伝える
「え、これが温かいエピソード?」と思う人も多いと思いますが、人はちょっとした単語から、さまざまな可能性を省略して印象形成を行う特性があります(ヒューリスティクス)。「おばあちゃんと住んでいます」というだけで、優しい子だと判断してしまう人は多いのです。
例)学生時代に一番心に残っているエピソードは?
解答例)全国大会で、病気のため出場できなくなったメンバーのユニフォームを着て出場したエピソードを伝える
「ベタな話」「わざとらしい」「照れる」と感じる人もいると思いますが、せっかくこのようなエピソードがあるのなら伝えた方がいいでしょう。この手のエピソードは、無意識のうちに印象形成に影響を与えてしまうものです。
採用では適正や能力も大事な基準ですが「一緒に働いていけるかどうか」という点が気になるのが人情。人の判断というのは、感情に大きな影響を受けることを思い出しましょう。
次のページでは、面接の第一線で活躍している達人に聞いた、本当にあったNGな答え方と残念な答え方をご紹介します。