DTM・デジタルレコーディング/シンセサイザー活用ノウハウ

30年前の機材を復刻させたRolandのAIRAとは(2ページ目)

2014年の電子楽器業界における、最大のトピックといっていいのは、Rolandが出したAIRAシリーズだと思います。よく話題は見るけど、何なのかよく分からないという人のために簡単に解説しましょう。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

一番人気はTR-808を再現したTR-8

AIRA

一番人気のTR-8

このAIRAシリーズ、TR-8、TB-3、VT-3の3機種は2014年3月8日に、SYSTEM-1のみ少し送れて6月25日に発売になったのですが、この4機種の中で、もっとも注目を集め、世界的にも品薄になっているのが、TR-8です。

最近はようやく店頭でも見かけるようになってきましたが、発売前から国内・海外とも予約殺到で、飛ぶように売れていきました。それもそのはず、中古のTR-808はコンディションがそれほどよくないにも関わらず30万円前後するのに対し、TR-808の音、振る舞いを忠実に再現した本家Rolandの製品であり、かつTR-909の音まで出せるTR-8が52,000円程度で購入できるのですから。

また、現存するTR-808の場合、経年劣化によって、もともとの音とはだいぶ変わってきているのも実情。そして、残っている固体ごとにかなり出音も違うようなのです。もちろん、「その劣化具合がいい」という人も多いと思いますが、TR-8では、各音源にピッチの調整機能なども装備したことで、自分の求めるTR-808の音に各自調整できるというのもユニークなところです。

AIRA

緑のイルミネーションとして光る

もっとも、このTR-8が完成するまでには、かなりの苦労もあったようです。やはり単純に開発しただけでは、TR-808の音にならないし、相当な試行錯誤があったようです。この開発には、TR-808やTR-909、TB-303などを駆使しているミュージシャンの齋藤久師さんも協力しており、久師さんが納得するものになるまで、作りこんでいるようです。この辺については以前、DTMステーションでインタビュー記事を書いているので、参考にしてください。

ちなみに見た目のデザイン自体は、TR-808やTR-909のものとは違い、AIRAシリーズとして統一されたまったく新しいもの。夜のクラブシーンなどで利用できるように、緑色LEDで光るのが4機種に共通したポイントとなっています。

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