「アイドルブームももうピークは過ぎた?」なんて意見も聞きますが、フェスへの参加具合を見ると定着に向かいつつあるよう。ただ、そうした国内のアイドルシーンとは完全に別枠になっちゃった感があるのが”メタルとアイドルの融合”がテーマのアイドル・BABYMETAL。欧州ツアーを盛況で終えたのち、先日来日したレディ・ガガの全米ツアーではオープニングアクトを担当。さらにSUMMERSONIC出演に欧米ツアーの追加公演発表と、この夏の勢いと展開のスケールはほかのアイドル、いや国内のどのアーティストやミュージシャンと比べても圧倒的です。
今年2月に発売されたファーストアルバム「BABYMETAL」初回限定版。海外での好評を受けて「BABYMETAL WORLD TOUR 2014限定ステッカー・ジャケット仕様」という形でアンコール版が発売された。
また既存のアイドルと違っていたのは「握手会」をやらなかったこと。もともと母体であるさくら学院が握手会をやっていなかったというのもありますが、現在ファンの前で「演出以外の声」はほとんど出していません。初期はトークイベントなども行っていましたが、現在はファンの前で素のトークを見せることはありません。アイドルの若い子らしいキャッキャしたMCはもちろん好きな人も多いですが、アイドル興味ない人には抵抗が……という側面もあります。ステージで見せるのは完成されたパフォーマンスだけ、という「隙の無さ」がアイドルファン以外をひきつけた要素のひとつかもしれません。
また、握手会をはじめとした「接触がない」「認知が生まれない」ことが「ヲタの序列」を生まず、新規ファンを取り入れやすかった背景のひとつではないでしょうか。もちろんそのベースにはSU-METALの歌唱力の向上、神バンドの出番の増加、非アイドルファンも虜にするYUIMETALとMOAMETALの愛らしさも大きいですが。
「メタルとアイドルの融合」、その背景にある「完成されたキャラクター」と「実力あるバンドサウンド」の融合。これがBABYMETALを成功させた理由ではないでしょうか。とはいえ、これだけの短期間で、さらに世界を魅了するレベルになるとはまさか思いませんでしたが。
ただ会場が広くなるたびにファンとの距離も離れていく…という悲しみは人気グループの常。しかしBABYMETALは7月には「ファンクラブ限定イベント」として渋谷のライブハウス・オンエアイーストで生誕ライブを開催。またイギリス公演のライブビューイングを朝4時からZEPP TOKYOから行ったりといった「限定性」ある仕掛けがコアに楽しみたいファンも離さない。まあ、もっとコアなファンは現地まで行ってしまうでしょうけどね。
そのSU-METALのさくら学院以前のキャリアとして、最近その名を見ることが増えたのが「可憐ガールズ」。その頃の仲間であり、さくら学院では先輩であった武藤彩未もまた、この夏評価を急上昇させたアイドルのひとりです。7月20日にスタートしたSUMMER TRIAL LIVE「20262701」ツアーを経て、ROCK IN JAPANに出演しました。
武藤彩未ソロデビューアルバム「永遠と瞬間」。ライブではその後も次々新曲を発表している。
その「アイドルオーラ」としか言いようがない輝きは、ソロアーティストになくてはならない、そしてその中でも極上のもの。彼女を初めて見たときの自分のメモを見返すと「とにかくオーラがすごい、アイドルモンスター感。彼女がアイドルブームを終わらせちゃうんじゃないか」という一行を書いてます。これからどう成長していくか楽しみです。そしていつかBABYMETALと同じステージに立つ日も…勝手に期待して見続けたいと思います。
関連リンク:
BABYMETAL公式
武藤彩未公式