増税によるアプリの値上げはあるのか?
2017年4月、消費税が10パーセントに引き上げられたときに、軽減税率(食品などの生活必需品にかかる消費税の割合を下げるころ)を導入すべきか、導入するとしたらどのような仕組みにすべきか、議論が続いています。現在の有料アプリの最低価格は120円。10%になったらどうなるのでしょうか
現在の有料アプリの最低価格は120円。消費税が上がったら、アプリの価格も上がるのでしょうか。この答えは、2014年に消費税が5パーセントから8パーセントに引き上げられたときにあります。
増税しても価格は据え置きだった
2014年3月時点のアプリの最低価格は100円。消費税は5%なので、本体価格は95円(この記事では端数を四捨五入して計算します)。8%に増税したら税込価格は103円になるはずです。ところが実際には、アプリの価格に変化はなく、100円のままでした。iTunes StoreやApp Storeに関する利用規約が、アップルのウェブサイトに掲載されています。そこには、このような一文が含まれています。
お客様の合計お支払い金額には、商品の代金および消費税が含まれます。お客様は免税を受けることはできません。
つまり、2014年3月以前の100円も、4月以降の100円も税込価格というわけです。より詳しく書けば、3月以前は「本体価格95円+消費税5円」、4月以降は「本体価格93円+消費税7円」です。増税による本体価格の値下げは、アップルとアプリ開発者が負担しているのです。
これは、アプリの価格設定が当時の為替レートをベースにした「1ドル=100円」単位となっているためです。アプリ開発者は数円単位の価格設定ができず、増税分を自己負担せざるをえないのです。
なお、2015年4月に円安によるレートの見直しがあり、「1ドル=120円」となりました。現在の有料アプリの最低価格は120円であるのは、そのためです。見方によっては、このタイミングで価格転嫁したとも言えます。
現在でも数円単位の価格設定はできないので、消費税が10パーセントに引き上げられても価格は据え置きになると見込まれます。
アップル製品に限れば円安のほうが深刻
消費税増税は悩みの種ですが、アップル製品に限れば円安のほうが価格の影響を受けやすいと言えます。実際、iPhoneの本体価格は、日本では割高となっています。iPhone 6s / 6s Plusでは、2年契約を条件とする割引後の価格が0円、いわゆる「実質0円」がなくなりました。アップル製品をいつ買うべきか悩みがちな方は、為替にも注目すると買い時を見極めることができるかもしれません。