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「公的年金の定期健康診断」といわれる財政検証についてのご案内です

「公的年金の将来は大丈夫?」という不安を感じている人は少なくないかもしれません。不安の原因として、財政的な問題を挙げる人もいますが、公的年金の財政のしくみがよくわからないまま漠然と不安を感じているのではないでしょうか。今回は公的年金の財政のしくみと今年実施された財政検証の結果について概要を解説していきます。

<INDEX>
公的年金の財政のしくみ
財政検証とは?
平成26年の財政検証
 

公的年金の財政のしくみ

日本の公的年金制度の特徴の1つに、賦課(ふか)方式があります。この賦課方式が公的年金の財政の基本となっています。公的年金の被保険者が負担している保険料は、自分が将来受給する年金の財源となるのではなく、現在の高齢者世代が受給している老齢年金や障害年金、遺族年金の財源となっています。現役世代全体で受給者を支える社会的扶養(世代間扶養)の考え方が賦課方式になります。
世代間扶養

(厚生労働省HPより、クリックすると拡大します)


負担した保険料を自分の年金の財源にする積立方式のほうがいいのではないか、と思う人も多いかもしれませんが、公的年金の保険料納付は原則20歳から40年間負担が続き、保険料は負担時の賃金や物価の水準に連動するものになっているので、受給時の賃金や物価の水準には合わないものになる可能性があります。もし、年金受給時に高いインフレの状態になっていると、積立方式によって保険料を積み立てた場合の年金では生活を支えることができないリスクも想定されます。

賦課方式の場合、保険料と年金給付の両方が現在の賃金や物価の水準に連動しているため、インフレに強いしくみになっています。しかし、賦課方式では、現役世代が納める保険料をそのときの公的年金の主な財源としているため、少子高齢化が進み現役世代が少なくなると、公的年金の財源となる保険料収入が減少するため、年金給付である支出とのバランスが取れなくなる可能性もあります。そのようなことを防ぐために、以前は、5年に1度、給付に必要な保険料の将来の見通しを作成し、必要な場合には、その都度給付設計等の見直しを行ってきました。実際には保険料率の段階的な引き上げの再計算が行なわれてきました。

しかし、予想以上の少子高齢化の進行などを受け、平成16年に年金財政の枠組みが抜本的に改正され、将来の保険料率を固定し、その固定された財源の範囲内で給付水準を自動調整することで給付と負担のバランスをとる仕組みであるマクロ経済スライド(詳細は「将来の給付水準?マクロ経済スライドって?」をご覧ください)が導入されました。

また、公的年金制度は賦課方式であるため、年金給付の主な財源は保険料となりますが、それ以外でも国庫負担や積立金の活用をあわせて財源を固定し、給付水準を自動調整して長期的に給付と負担の均衡が図られる財政方式になりました。

そして、この平成16年の改正以降、少なくとも5年ごとに長期にわたって給付と負担のバランスがとれているかを確認する「財政検証」が行われることになりました。
年金財政フレーム

(厚生労働省HPより、クリックすると拡大します)