葉・茎・根と、丸ごと命を活かす
「パクチー女子会」をコンセプトに、女性をイメージした華やかなお料理が並ぶと、参加者からは歓声があがりました(当日は、パクチー好きの男性も多く参加されていました)。お料理を担当されたのは「Les Legumes」シェフの越智良典さん。かつては神戸のホテルで料理長をされていた実力派だけあって、想像を超えた多彩なお料理の数々を提案してくださいました。
メニューは次の通りです。
- パクチーと焼き穴子とのタブレ(下段中央)
- 豚タン パクチェ(上段左)
- プチトマトとモツァレラチーズのカクテル レモンバジル風味(上段中央)
- キュウリとメロンのガスパクチョ
- パクシーザーサラダ
- 夏野菜のパヒージョ(上段右)
- 明石ダコのパクギニョン風(下段左)
- スズキのパクポテト焼き
- 淡路鶏のパクロール らいちとぱくち(下段右)
- マンゴープリンとパクティーのジュレ
- シュー ア ラ パクレーム
- パクチーアイスとパクシガー
パクチー尽しのお料理ですが、多彩な表情、風味が楽しめました。
豚のタンなどをパセリと合わせたテリーヌ、ジャンボン・ペルシェのパセリをパクチーに置き換えたり、エスカルゴ料理のイメージで肉厚の椎茸「どんこ」とタコ、パクチーを使う等、フレンチやイタリアン等のベーシックな料理から発想し、またパクチーらしさも活かされています。
今回のイベントにむけて試行錯誤し、越智シェフはマンゴーとパクチーの相性がよいことを発見、デザートやドリンクとして提案されました。
パクシーザーサラダには、さくさくと揚げたパクチーの根がたっぷり。甘味があり、食感も楽しい一品。
また越智シェフ絶賛の甘くておいしい根の部分は、カラッと揚げてパクシーザーサラダにトッピング。さくさくと香ばしくよいアクセントになっていることは、とても印象的でした。キュウリとメロンのガスパクチョには、まだ瑞々しいパクチーの双葉を添えられていました。新芽から、葉から茎、根まで、パクチーを丸ごと、大切に活かされたと思います。
マンゴーパッシー(マンゴーとヨーグルトのラッシーにパクチーの香りをプラス)や、トロピカルパクビール(パクチーとマンゴーのフレーバービール)などドリンク類に至るまで、見事にパクチー尽くし。
特にオイル、ヨーグルトやバター等の乳製品と合わせると、パクチーの風味はしっかり感じられながらも、まろやかさが前に出るので、苦手な人も食べやすくなるのでしょう。
越智シェフが多様な食べ方や、素材との相性を提案してくださったおかげで、中華やエスニック料理などだけでなく、もっと自由に使ってもよいのだと実感でき、より身近な食材に感じられるようになりました。今後は、デリステールブランドから、ご家庭でも楽しめる「パクチー女子会セット」も、リリース予定です。
パクチーを通じて、人と畑とつながる
生地にもカスタードにもパクチーを練り込んだシュー ア ラ クレーム、パクチー茶のジュレを添えたマンゴープリン。パチクーアイスとパクチー生地のシガー。
「ちー坊のタンタン麺」阿波座店 店長 田淵雅圭さん。近々「もりたんぼ」パクチーとオマールのお店を、新たにオープンする予定とか。
また参加者の中には、大阪阿波座で「ちー坊のタンタン麺」店長を務める田淵雅圭さんもおられ、今回のイベントのお料理には、おおいに刺激を受けられたようです。
田淵さんは、台湾出身のお母様や家族の影響でパクチー好きになり、お店でもパクチーを使ったメニューを充実、「もりたんぼ」パクチーを使用されています。近々パクチーとオマールエビの専門店をオープンする予定だそうです。
おいしいものを食べている時、人は笑顔で気持ちも穏やかになり、他者にも垣根を作らずに、自然体で接することができます。
「Les Legumes」の「畑と食卓をつなぐ」というコンセプト通り、作り手である森田さんご夫妻と直接パクチーについてお話を伺ったり、シェフから料理のコツを教えていただいたり、また初めて会った参加者とも感想や、パクチーをテーマにおいしい料理やお店の情報交換もでき、つながりが深まるよい機会になりました。
関連リンク
参考/
- 80のスパイス辞典(フレグランスジャーナル)
- スパイスのサイエンス(文園社)
- コリアンダー・香菜・パクチー(健康食品の安全性・有効性情報)