企業経営のノウハウ

ドラッカーに学ぶ「コミュニケーションとは要求」(2ページ目)

より読まれる社内コミュニケーション・メディアを企画し編集していくには、社内コミュニケーションの本質についての理解がなにより大切です。そしてその本質を突きつめていくと、人間観も問題に繋がります。組織における人間にはコミュニケーションが不可欠。今回は社内コミュニケーションの本質について紹介しましょう。

豊田 健一

執筆者:豊田 健一

総務人事・社内コミュニケーションガイド

メッセージの統一性の確保

そうなると、本来的には上記の全ての社内コミュニケーション・ツールが、同じ方向を向いたメッセージを持っている必要があります。社内報ではこのように言っているのに、研修の場では異なることを言っていては、メッセージを受け取る社員は混乱してしまいます。表現は違えど、メッセージは同じ方向性であることが大事です。
リアルな場の風景

社内メディアとリアルな場のメディア・ミックスが大切



しかし、上記のツールを全て管轄している部署は存在しないのが実情です。管轄はしないものの、それぞれの部署でメッセージを発信する場合は、他の部署のメッセージの内容に気を配ることはしたいものです。

社内コミュニケーション・ツールの
メディア・ミックス

メッセージを伝えるには、あの手この手で行う必要があります。単一のツールで伝わることはほとんどないと言ってもいいでしょう。先に部門間のメッセージの統一性が必要と言いましたが、それぞれの部門が保有している社内コミュニケーション・ツール間のメディア・ミックスも考えておくことが必要です。

一つのメッセージを部門間で協力して、多様なツールで多角的に伝えるという手法です。ですので、それぞれのツールの強み、弱みを把握しておくことが大切です。

社内報やイントラなどのメディア系は読まれないと全く伝わりません。いかに読まれるかという工夫が必要ですが、いつでもどこでも誰でも読めるというメリット、じっくり読まれれば深い理解まで到達することが可能です。

一方リアルな「場」系のツールは、参加者へは臨場感ある強烈なメッセージを届けることができます。共感、感動させるには最適なツールです。しかし、そのメッセージを継続させるのが課題でもあります。職場に戻ると元の木阿弥という事態もよくあることです。このように一長一短あるツールを組み合すことで、それぞれのコミュニケーションの要求を実現させることを企画するのです。

現在はICTの進展が目覚ましく多様なツールが存在しています。社内コミュニケーションを司る部署では、ツールの研究を怠らず、最適なコミュニケーション環境を構築すべきでしょう。

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