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瀬山亜津咲に聞く、ゴールド・シアター最新作(6ページ目)

ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団の瀬山亜津咲さんが、この夏さいたまゴールド・シアターに振付、新作を発表! 昨年好評を博したワーク・イ ン・プログレスに続き、今回は満を持しての本公演を開催します。ここでは、公演に先駆け瀬山さんにインタビュー。創作法やゴールド・シアターへの想いについてお聞きしました。

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

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ゴールド・シアターのみなさんの原動力は何だと思われますか?

瀬山>うーん、何でしょう……。この三年間毎年夏にみなさんにお会いしてきましたが、毎年毎年パワーアップしている気がします。それはもう、ゴールド・シアターってどこに行っちゃうんだろうと思うくらい(笑)。ゴールド・シアターの方々を見ていると、本当に私もまだまだこれからだと思うし、鞭で叩かれてるような気がします(笑)。私が引っ張っているのではなく、引っ張られている感じです。

本当にひとりひとり色が全く違う。蜷川さんに選ばれただけのことは絶対にありますね。ただ個性が強いだけに、みなさんで何か一緒にやってくださいとお願いすると、話し合いからしてすごく時間がかかる(笑)。でもひとたびまとまると、みんな一体になってできるんです。そういう部分は私のカンパニーとすごく似ているなと思います。ヴッパタール舞踊団は十数カ国からダンサーが集まっているので、ひとそれぞれ全く違っていてもう大変なことになってる(笑)。でもまとまるときは一体になれるから、やっぱりそこはいいところですよね。

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クリエイションの模様


作品のゴールはどこにあるのでしょう?

瀬山>時間切れ(になった時がゴール)ですかね(笑)。主人(ファビアン・プリオヴィル氏)は振付をしていますけど、私は普段作品をつくったり構成して演出するという作業はしていないので、本当に初心者なんです。でも、自分の直感を信じてやるしかない。

この三年間ゴールド・シアターのみなさんと関わってきた時間を踏まえた上での私の中のゴールというのがあって、それは私にしかわからないものかもしれません。一緒に三年間ここまでやってきて、ここまでできましたというのがひとつのゴールかもしれない。ただ、どちらにしても満足することはないと思います。“あー、くやしい! もっとやりたかった!”っていうのが絶対にある。でもその方がいいのかもしれないですね。もっとやりたかった、そしてこれからもやっていきたい、という方が……。

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クリエイションの模様


今年は身体を使うということに重点を置いています。私自身、彼らひとりひとりの動きにすごく感動させられることに気付いた。なので、それを大切にしたい。ぜひダンサーに観に来て欲しいです。プロのダンサーって、動きを探る真剣さというものを失ってしまっているところがある。どうしても、何気なくやってしまったりする。これもできてしまう、あれもできてしまうというプロの部分を脱ぎ捨てる作業を、私自身ダンサーとしてやっていきたいと思います。それはこれからもそう。ゴールド・シアターに負けないように、もっともっと自分も進化していかなければと思っています。

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2013年ワーク・イン・プログレス(C)Matron



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