真夏におすすめ、涼感たっぷりの絵本『とこちゃんうみへいく』
カンカン照りの太陽のもと、お兄ちゃんも、とこちゃんも汗をダラダラ流している暑い夏の日。海に遊びに行くお兄ちゃんに着いていきたがったとこちゃんですが「とこちゃんは およげないから だめ」と置いてけぼりになってしまいました。仕方なく、お風呂で1人で水風呂に入り、遊び始めたとこちゃんですが、いま一つ楽しくならず気分が盛り上がりません。そうしたら何と、お風呂の水がとこちゃんを包み込んで海に連れてってくれるという驚きの展開が待っていました！各ページに勢いのある水の動きが広がり、涼感たっぷり、躍動感とスピード感のある爽快な絵本『とこちゃんうみへいく』。暑い夏真っ盛りにどうぞ。2歳前後から楽しめそうです。
水と戯れる生き生きとしたとこちゃん
1人での水風呂遊びがつまらなくて、「あたしも うみで およぎたいよー」と叫んだとこちゃんの声に、「ぼくも うみで およぎたい！」とお風呂から飛び出した水のかたまり！ あっけに取られ、泳げないことを心配しているとこちゃんを小脇に抱え、「ぼくが いるから だいじょうぶさ」との力強い言葉とともに走り出します。頼もしく優しい表情のお風呂の水が包んでくれる中で、海に飛び込んで泳ぎ出し、お兄ちゃんにも追いついて、止まらぬ勢いで飛び跳ねるとこちゃん。体全体を使って泳ぎ回るとこちゃんの様子は、何とも痛快！水とバシャバシャ戯れる楽しさが、水があふれる涼しげな絵本全体から伝わってきます。
海やプールに行けなくても楽しめる！
最後のページでは、とこちゃんとお兄ちゃんが、水風呂で楽しく遊んでいます。とこちゃんは本当に海へ行ったのかな？ 水風呂で遊んでいるうちにお兄ちゃんが戻ってきて、楽しく水遊びを展開したのかな？ 大人はついついそんなことを考えてしまいますが、答えはとこちゃんとお兄ちゃんだけが知っていることなのでしょう。小さな頃、うだるように暑い夏の日は、水風呂遊びをして体を冷やし、お昼寝をしたなあと、懐かしい気持ちにもなった私です。水を得た魚のような伸びやかなとこちゃんに触発され、海やプールでの水遊びデビュー前の小さなお子さんも、水の中で思いっきりバシャバシャと遊んでみたくなりそうです。海やプールに遊びに行く予定を立てるもよし、おうちで手軽に水風呂遊びをするのもまたいいですね。
