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過激表現を含むゲームから過激表現を分離する売り方(2ページ目)

ゲームのレーティングというのをご存知でしょうか、アルファベットで表現され、例えば「D」は17歳以上対象、そして「Z」になると18歳以上のみ対象として、販売の方法やプロモーションなどに規制がかかります。過激な表現を売る時に、必要ではあるけれどプロモーションの障害にもなりやすい規制、これをユニークな方法で解決しようとしているタイトルがあります。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

Z指定のゲームは、売りにくい?

「Z」指定コーナーの図

専用の仕切りを使って、150cm以上の高さの場所に設置します。

CEROレーティングの中でも、特に過激な表現が含まれているゲームがCERO「Z」に分類されます。海外のゲームに比較的多く、有名なところでは「グランド・セフト・オートV」や「Assassin's Creed 4 BLACK FLAG」などがそうです。

「Z」に指定されると、まず18歳未満の人には売ることができません。そして、お店での陳列にも制限が加わります。まず、Z区分だけの棚を作らなければいけません。スポーツとか、アクションとか、シューティングとか、そういうゲーム売り場によくあるジャンルと一緒に陳列できないんですね。そしてZ区分の棚は、子どもが見れないように150cm以上の高さに設置しなければいけません。

テレビCMや、プロモーションビデオ、試遊台などにも制限が加わります。基本的には、対象年齢外の人、あるいはそういう過激な表現を好まない人が見なくてすむようにする、ということですよね。

しかしそれは当然、大々的なプロモーションができない、ということでもあります。ですから、ゲームを販売する時、CEROレーティングが「D」になるのか、「Z」になるのかというのが大きな問題になります。特に、多くの人にすでに面白さが認知されたシリーズ作品であればまだしも、サイコブレイクのような新規タイトルはCERO「Z」だと、プロモーションでそれなりの苦戦が考えられます。

パッケージはD指定だけど、予約特典のダウンロードコンテンツでZ相当の表現に

テレビCMの図

「Z」指定でなければ、テレビCMなどもしやすくなります

そこで、サイコブレイクが取った施策というのが、パッケージは「D」の基準で作り、そしてダウンロードコンテンツで「Z」相当の表現を解禁するというものです。どういうことかというと、あくまでゲームソフトそのものは17歳以上対象の「D」の基準で作っておいて、予約特典で希望者に「ゴアモードDLC」という、「Z」指定基準の表現で遊べるダウンロードコンテンツをつけるということなんですね。

もちろん、この「ゴアモードDLC」は予約者の中でも18歳以上しかもらうことはできません。また、今後このダウンロードコンテンツを販売する予定もないとしています。

この方法だと、ダウンロードコンテンツを使わない限りは「D」基準の表現ですし、レーティングも「D」ですから、プロモーションの制限がかかりません。当然、プロモーション時に使われる画像、映像の表現も「D」の基準の範囲内、ということになります。お店の棚も他のゲームと分けられなくて済みますし、プロモーション映像も流せます、CMもできます。

一方で、過激な演出も含めてゲームを楽しみたいという人は、明確な意思でもって予約をしてダウンロードコンテンツを使えばいいわけです。表現の自由や多様性の確保と、必要な規制、という観点から考えた時、この方法は非常に前向きで建設的に思えます。
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