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過激表現を含むゲームから過激表現を分離する売り方(3ページ目)

ゲームのレーティングというのをご存知でしょうか、アルファベットで表現され、例えば「D」は17歳以上対象、そして「Z」になると18歳以上のみ対象として、販売の方法やプロモーションなどに規制がかかります。過激な表現を売る時に、必要ではあるけれどプロモーションの障害にもなりやすい規制、これをユニークな方法で解決しようとしているタイトルがあります。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

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見たくない人には見せない、見たい人に見せる

サイコブレイクの図

サイコブレイクのこの売り方にユーザーはどう反応するのか、注目したいところです(イラスト 橋本モチチ)

きちんと言っておきたいのは、これは過激な表現のゲームをそうでないように見せかけて売るような方法ではない、ということです。ゴアモードDLCは予約した人しか手に入れられませんし、18歳以上限定という制限もかかっている、というのは非常に重要です。

ホラー、サスペンスなど、一部のジャンルに過激な表現はつきものです。そういった過激な表現を見たくない人に見せない、また、見せるべきでない子ども達に見せない、その為の規制は必要です。しかし、見せないようにするという行為は、プロモーションと真逆の行為であり、見たい人にも情報が届かないという状況を招くことがあります。そうなれば結局販売は伸び悩み、商品である以上ビジネスとして成立しなければ表現は委縮していきます。

今回の施策は、ゲームそのもののプロモーション機会は確保しつつ、過激な表現だけを一旦隔離し、規制の枠の効く中で再配布するものです。表現の自由、多様性を守り、かけるべき規制はかけ、その上で販売拡大にもチャレンジできる、非常に前向きな姿勢を感じます。

こういった方法論が上手くいけば、他のゲームにも良い影響を与えるかもしれません。そういう意味でも、応援したくなります。バイオハザードの三上真司氏が海外パブリッシャーとタッグを組んで送る本気のホラーゲームがどんなものになるのかという期待とともに、その売り方にも、注目が集まります。

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