3位 天国の門
「災害映画」とも揶揄される作品。エキストラを増やしまくったり、撮影のやり直しをくり返したり、セット内に本物のレールを敷いて実際に列車を走らせたりなど、お金を湯水にように使ったおかげで予算が当初の4倍である4400万ドルに膨れあがりました。
もともと5時間以上あった内容から劇場公開用に2時間半に短縮したおかげで構成も破綻ぎみ。酷評され、興行的にも大惨敗したため映画製作会社が倒産に追い込まれてしまいました。現在では(ごく一部から)高い評価を得ている作品ではあるのですが……
2位 座頭市(1989)
主演の勝新太郎があまりにワンマンな映画作りをしていたために、撮影が遅々として進みませんでした。そして殺陣のリハーサル中、奥村雄大の持ってい た 日本刀(真剣)が子分役の俳優の首に刺さり死亡する事故が起きてしまいます。この事故は大きくスキャンダルとして報道され、事故後も撮影を続けたことが問題視されていたのですが、勝新太郎は即興で三味線のシーンを入れ、スタッフは連日徹夜を続け、何とか劇場公開が実現しました。本当にお蔵入りになってもおかしくなかったでしょう。
1位 地獄の黙示録
主人公を演じるはずだったハーヴェイ・カイテルが撮影開始2週間で降板、代わりに起用されたマーティン・シーンは撮影途中に心臓麻痺で倒れる、デニス・ホッパーがドラッグ中毒でセリフを覚えてこない、主演のマーロン・ブランドが太りすぎたために物語の設定を変えざるを得なかったなど問題が目白押し。ほかにも天災により撮影が遅れまくるわ、編集にも2年余りの時間がかかかるわ……撮影現場のほうも地獄だったそうです。
ちなみに、ドキュメンタリー映画『ハート・オブ・ダークネス コッポラの黙示録』で、当時を振り返るキャストのインタビュー、監督の妻が撮り続けた舞台裏を観ることができます。
ほかにも、出資者との間で訴訟が起きたために本国で劇場公開されなかった『オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主』など、映画が無事に日の目を見るためには乗り越えなくてはならないハードルが多くあります。映画を観ているときにも、無事劇場公開がされたうれしさを噛み締めたいものですね。