搭載しているプロセッサーはインテルのATOMのZ3745(1.33GHz)です。このプロセッサーは低消費電力ながら、クアッドコアで高い処理能力を持っています。ちなみに公証駆動時間は最大9.5時間で、一般的なノートPCと比較してもかなりの長時間駆動が可能になっています。Android のバージョンは4.4.2です。
今回はこのASUS Pad TF 103C の実力をチェックしてみました。
外観
ボディカラーはホワイトとブラックの2種類が用意されています。また、キーボードが付属しないブラックモデル「TF103-BK16」もあるので注意しましょう。キーボード付きモデルは「TF103-BK16D」(ブラック)のように型番の末尾にDがついています。キーボードを接続した状態の外観はまるでノートPCそのものです。パームレスト部分は一見メタリックな仕上げになっていますが実はプラスティックです。ディスプレイとの接続構造部分には金属パーツが使われています。これは耐久性を保つためにも重要なポイントですね。
タブレット部分は、背面から見ると左右のサイド近くにステレオスピーカーが搭載されているのが分かります。また、背面中央上部にはカメラレンズが搭載されています。普通のノートPCは自分自身を撮影するインカメラしか搭載していないのが一般的なので、このアウトカメラが活用できるのはTF 103Cのアドバンテージでしょう。
ちなみにこのアウトカメラは200万画素になっており、インカメラ(自分撮りカメラ)は30万画素です。 200万画素というのは、現在の水準では数値的にあまり高くないという印象がありますが、最大1,600×1,200ドット(4:3)で撮影できるので、ブログなどで使用したり、メモ程度に使うのなら、問題ないでしょう。
ちなみにこのディスプレーは10.1インチで解像度は1,280×700ドットWXGAになっています。ノートPCとしてはあまり解像度が高くないともいえますが、消費電力を収めるという部分ではこの程度の解像度の方が有利です。ちなみに表示クオリティも良好です。
ストレージは16 GB、メモリは1 GBになります。 16 GBというのはあるノートパソコンと比較すれば非常に小さいわけですが、タブレットとしてはごく普通です。また、マイクロSDカードスロットを搭載し、そちらにデータを保存することができるので、通常の使用では問題ないでしょう。
ちなみに重量はタブレット部分が約550g、合体時が約1.1kgで、モバイルノートPC並の軽量さです。
キーボード
キータッチに関しては、ThinkPadのような高度なキータッチ感はさすがに実現できていませんが、一般的なケースキーボードと比較して、十分に勝負になるキータッチを実現していると感じました。そして、この製品が一般的なケース一体型キーボードと比較して有利なのは、タブレット部分とキーボードが合体できるため、膝の上などに置いて作業する場合でも安定感を持って使用できることです。
また、この製品に興味ある人にとって気になるのはキーボードの接続、分離の作業でしょう。ノートPCフォルムの状態からキーボード取引外すにはキーボード上部の接合部の中央のボタンを押してディスプレーを引っ張るだけです。
逆にキーボードをはめる場合はコネクターを合わせてはめるだけでOKです。特にソフト的な設定は必要ないのが便利です。
ただ、YouTubeで動画を再生しているときなど、ドッキングあるいは分離すると動画の再生が一時停止するので、ユーザーが再生を開始する必要があります。
インタフェース
インタフェースに関して触れると、タブレット側にはマイクロSDカードスロットを搭載しています。これは64GBまでのSDXC規格に対応しています。キーボード部分にはUSBポートを搭載していますが、残念ながらUSB 2.0のものが1つだけです。しかしこの製品の性格を考えれば、特に高速なUSB 3.0も必要ないのかもしれません。
無線LANに関しては802.11a/b/g/n対応します。 802.11aに対応するため、一般的な802.11b、gが混雑した状態でも快適に通信できるのが利点です。 いうまでもなく、802.11aに対応する無線LANルーターを使用する必要はあります。
左サイド。キーボード部にUSB、タブレット部にマイクロSDスロットがある。
パフォーマンス
Web検索、Facebookやメールなどを使うレベルであれば、ごく快適にストレスなく使用できます。オンデマンドビデオの視聴も試してみましたが、YouTubeやU-NEXT、Huluなどはごく普通に再生することができました。ちなみにこの動画視聴時、スピーカーがステレオであるため、一般的なタブレット、ノートPCと比較すると、比較的いい感じに音を楽しむこともできます。そして、動画の映像表示クオリティもこの価格にしてはいい感じです。
また、動画視聴時のオーディオに関しては「AudioWizard」機能で「動画」を選択すると、サラウンド感のある動画を再生できました。
バッテリ駆動時間
カタログスペックでは駆動時間は9.5時間ということですが、実際にキーボードを接続した状態で、Web検索やFaceBook、音楽再生などで普通に使用した場合、7時間程度という印象。現時点のモバイルノートPCと比較しても、十分な駆動時間と言えます。どんな人におススメ?
この製品の価格は、現時点では安い店では4万円を少し切る程度で、合体可能なキーボード付きであることを考えればリーズナブルと言えるでしょう。このタブレットの利用シーンとして考えられるのは、スケジュールのチェックや電子メール、FaceBookやWeb検索などに加えて、ブログ作成やドキュメント入力など、キーボードを活かした活動を行う場面です。また、200万画素のメインカメラでメモ的な写真を撮ることもでき、Evernoteなどと組み合わせてデジタルメモとして使うのも便利でしょう。
メインで使うPCを補うかたちのサブPC的なもので、いつも持ち歩くことができる軽量さを持ち、キーボードで文字入力ができるタブレットを探している人におススメの製品と言えるでしょう。