投資信託/要注意!投資信託のリスクと落とし穴

投資信託が複雑な仕組みをしている理由

投資信託は、投資信託会社が運用の指図を出し、信託銀行が資産を管理し、銀行や証券会社などの金融機関が販売します。どうして、そんなに複雑な方式なのでしょうか。それは、ファンドの保有者の大事な資産を守るためです。

鈴木 雅光

執筆者:鈴木 雅光

投資信託ガイド

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金融機関が破たんしても、保有者の資産はすべて保全

ファンド保有者の資産を守る仕組み

ファンド保有者の資産を守る仕組み

投資信託の仕組みがわかりにくいという方は、結構いらっしゃいます。どうして投資信託会社は運用の指図を出すだけなのか。わざわざ信託銀行が保有者の資産を管理しているのはなぜなのか、それは仕組みを複雑にしているだけではないかと思うわけです。

ただ、これにはちゃんとした理由があります。そうすることによって、ファンド保有者の資産を安全に守っているのです。

投資信託は、一般的に証券会社や銀行などの金融機関を通じて販売されています。でも、販売金融機関は、保有者から集めたお金を全額、信託銀行に移管します。これによって、仮に販売金融機関が破たんしても、保有者の資産はすべて保全されるようになります。

当然、投資信託会社が保有者の資産を預かることもありません。投資信託会社はあくまでも信託銀行に対して、ファンドに組み入れる資産の売買を指示するだけです。結果、投資信託会社が破綻したり、あるいは日本から撤退したりすることになったとしても、同じく保有者の資産は守られます。

では、顧客の資産を管理している信託銀行が破たんしたら、どうなるでしょうか。「私たちの資産を管理している信託銀行が破たんしたら、さすがにまずいのではないか」と思う人は多いでしょう。

破綻しても大丈夫な分別管理の意味

でも大丈夫です。信託銀行に信託された投資信託の資産は、その信託銀行の資産とは完全に分けて管理されます。これを「分別管理」と言います。つまり、投資信託の資産を管理している信託銀行が破たんしても、投資信託の資産は差し押さえの対象にはならないのです。

投資信託は預金とは違って、預金保険の対象には含まれていません。これは、銀行の窓口を通じて販売されている投資信託も同様です。ただ、今説明したような仕組みでもって、販売金融機関、投資信託会社、信託銀行のいずれが破綻したとしても、保有者の資産は守られます。

また預金保険で保護されるのは、預金の元本1000万円とその利息分までと上限が決められていますが、投資信託の場合、たとえ2000万円、あるいは3000万円でも、ファンドを通じて保有されている資産の安全性は守られます。その意味で、より大口の資金を運用するのであれば、むしろ保護の上限額が決められている預金よりも、投資信託の方が安心できるともいえるのです。
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