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住宅ウーマノミクスと100年住宅(1)(2ページ目)

安倍首相が提唱したウーマノミクスが盛り上がる中、女性の過ごす時間の多い発言力の高い住宅業界でもそうした流れが出てきています。「ウーマノミクス」と「100年住宅」、一見関連性がないようにみえる両者に流れる共通項について、「働く女性」と「住む女性」の2つの視点にフォーカスしてガイドの私見を書こうと思います。

河名 紀子

執筆者:河名 紀子

家づくりトレンド情報ガイド


ダイワハウスの積極的な取り組み

講演

基調講演をしたダイワラクダ工業の女性執行役員

こうした危機感と先行見通しを受け、大手ハウスメーカーを中心に女性活用の動きが活発化しています。ダイワハウスは2013年に発表した第4次中期経営計画において、事業拡大に伴う経営基盤や人財の強化に向けて、女性管理職の育成・強化や女性役員の排出に積極的に取り組んでいます。

同社は2014年1月、住宅業界で初めてグループ会社の全女性管理職・管理職候補者(167名参加)を対象に「第1回 D's Women's Forum」を開催。2014年7月には「第2回 D's Women's Forum~2020年 未来を想像し、明日の私を創造する」を開催しました。

会場は、同社グループ会社の女性管理職・管理職候補者の女性約239人に埋め尽くされ、圧巻な光景。ダイワラクダ執行役員住環境事業本部副本部長の千葉由美子氏から基調講演「失敗は成長のヒント これからの私の創り方」が披露された後、参加女性がグループに分かれ、「2020年の私たち」についてグループ討議。討議内容を模造紙にまとめ発表するという内容。

奥さんや主婦の要望対応には女性が必須

内容

グループディスカッションの内容

住宅企業に限らず、あらゆる産業でウーマノミクスの取り組みが行われる中で、「住宅会社やハウスメーカーが女性を活用することで、具体的にどんな力になったりメリットがあるのか」と質問したところ、「より実態に近づいた消費者・主婦目線で提案できる。たとえば、収納の細かいところについてお客様の奥様が聞いてこられた時、女性の設計士たプランナーが対応することでより深く納得いただけることが多い。こういう対応ができる女性スタッフを増やしていきたい」(同社人事部waveはあと推進室次長・鳥生由起江氏)。

2020

2020年にありたい姿について女性社員同士が議論。これは男性社員にも有効?

社長の訓示以外は女性の司会・女性の登壇者・女性による女性のフォーラム進行というのも、これまでの住宅企業にない新鮮さを感じました。また、「これまでは女性活用などは企業の内部の問題だから…」と報道や外部に発信すること自体あまり考えられませんでしたが、こうしたフォーラムで女性社員のモチベーションを高めるとともに、内外にミッションコミットメントしていこうという企業の覚悟も新しく感じました。

女性が真に長く働き続けるためには、周囲の男性(夫だけでなく上司・親・義父・企業や自治体のトップなど)の深い理解と支援も必要になるでしょう。結婚・出産・子育て・介護の経験がキャリアの妨げになるのでなく、むしろ応援材料になる。そんな新しい時代の幕開けを感じさせる「住宅業界で働く女性」によるフォーラムでした。
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