夏にちなんだピアノの曲を聞いて涼もう!
ピアノの音を聞いて涼もう
ピアノが奏でる水の音で涼む
暑い夏に誰もが求めるのが「水」! 喉の渇きを癒したり、海やプールに入るのはもちろん、水のある風景を眺めたり、波や水しぶきの音を聞くだけでも涼しい気分になります。水をテーマにした曲はたくさんありますが、夏に聞いて欲しいガイドいち押しのピアノ曲は、リスト作曲の「エステ荘の噴水」。軽やかに奏でられる音の粒が、噴水の滴のように広音域に散りばめられ清涼感を醸し出しています。
ちなみに、エステ荘とは世界遺産にも登録されているイタリアのティボリにある邸宅で、その広大な庭園内に多くの噴水が設置されていることでも有名です。
聞いてみましょう!
■フランツ・リスト(1811-1886):「巡礼の年 第3年」より「エステ荘の噴水」
音楽で肝試し?ピアノで聞く怪談
夏になると、遊園地にお化け屋敷が設けられたり、墓地で肝試し、お寺で怪談を聞くというようなイベントが開かれます。これは、怖い思いをすると暑さを忘れるうえに、ゾッとして寒く感じるからというのが理由のようです。音楽にも、詩や小説などをベースとして火の玉や悪魔、悪霊といった不気味なものを表現した曲があります。実際に納涼効果があるかどうか定かではありませんが、遊び心を交えて音楽を聞いて肝試しをしてみませんか?ピアノという楽器のもつ可能性を最大限に引き出し、不気味な雰囲気を表現した秀作をご紹介しましょう。
フランスの作曲家、ラヴェルの「スカルボ」。詩人ベルトランの同名の詩から受けたイメージを曲にしたもので、「スカルボ」とは夜な夜な現れて部屋の中を目まぐるしく駆け巡り悪戯をする怪奇的な小悪魔(実は変幻自在な妖精)のこと。高度な演奏テクニックを駆使した作品で、ピアノ曲の中でも難易度の非常に高い曲として知られています。
聞いてみましょう!
■モーリス・ラヴェル(1862-1918):「夜のガスパール」より “スカルボ”
「スカルボ」に勝るとも劣らない恐ろしい雰囲気を持つ曲、それはロシアの作曲家プロコフィエフの「悪魔的暗示」。追いかけられ逃げ惑っているような緊迫感と恐怖感が、激しいリズムで叩かれる大音量の不協和音であおられていきます。
聞いてみましょう!
「スカルボ」に勝るとも劣らない恐ろしい雰囲気を持つ曲、それはロシアの作曲家プロコフィエフの「悪魔的暗示」。追いかけられ逃げ惑っているような緊迫感と恐怖感が、激しいリズムで叩かれる大音量の不協和音であおられていきます。
聞いてみましょう!
■セルゲイ・プロコフィエフ(1891-1953):「4つの小品」より第4曲 “悪魔的暗示”
その花火をピアノの音で表現した作曲家がいます。フランスの作曲家ドビュッシーで、曲の名前はズバリ「花火」! 着火されジリジリ燃え始め次第に火花が大きく散り広がっていく様子から、ダイナミックなクライマックスへ、そして花火が終わりに近づき静けさが戻ってくるという一連の光景を表現しています。
曲が終わりに近づき次第に静かになっていく箇所で、フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」が流れるというドビュッシーの粋な演出も聞きどころのひとつです。
聞いてみましょう!
■クロード・ドビュッシー(1862-1918):「前奏曲第2集」より “花火”
ピアノの音で表現された夏の風物詩、花火。ドビュッシーの「花火」を聞いて、あなたはどんな花火をイメージしますか?
「盆踊」は、1938年に作られた「日本組曲」の第1曲目で、ヴェネチア国際現代音楽祭でも入選し世界的な評価を得た作品です。太鼓の激しいリズムやお囃子、人々が盛り上がって踊っている日本特有の光景を、西洋楽器のピアノでどのように表現したのか是非聴いてみてください。
聞いてみましょう!
■伊福部 昭(1914-2006):「日本組曲」(1. 盆踊、2. 七夕、3. 演伶・ながし、4. 佞武多・ねぶた)
自分のレベルに合ったアレンジ譜を探そう
前述の「エステ荘の噴水」や「スカルボ」などは、どれも演奏の難易度が高い曲でしたが、「Summer」はオリジナルがオーケストラとピアノのための曲で、ピアノソロ用は初級から上級までいろいろなレベルに編曲された楽譜が出版されているので、必ず自分に合った楽譜を見つけることができます。
ただし、たとえば同じように「初級レベル」と記されている楽譜でも、編曲者(出版社)によって難易度や演奏した時の雰囲気が多少違うので、楽譜を選ぶ際には、あらかじめネットで視聴したり、楽譜を見比べてから決めるといいでしょう。
今年、初級者用の「Summer」を弾いた人は、来年は中級者用、そしてその翌年には久石譲が演奏しているのと同じ編曲にチャレンジ!というように、毎年レベルアップして夏の課題にして楽しむのもいいですね。
聞いてみましょう!
■久石譲(1950- ): Summer (作曲者本人のライブ演奏)
ピアノの曲を聞いたり弾いたりして楽しみながら、上手に暑い夏を乗り切りましょう!
【関連記事】
ピアノで聴く夏の風物詩1:花火
夏と言えば花火!今年も各地で花火大会が催されていますね。子供の時に庭先で楽しんだ小さな花火もいいけれど、ダイナミックに夜空に咲く打上花火は格別。その花火をピアノの音で表現した作曲家がいます。フランスの作曲家ドビュッシーで、曲の名前はズバリ「花火」! 着火されジリジリ燃え始め次第に火花が大きく散り広がっていく様子から、ダイナミックなクライマックスへ、そして花火が終わりに近づき静けさが戻ってくるという一連の光景を表現しています。
曲が終わりに近づき次第に静かになっていく箇所で、フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」が流れるというドビュッシーの粋な演出も聞きどころのひとつです。
聞いてみましょう!
■クロード・ドビュッシー(1862-1918):「前奏曲第2集」より “花火”
ピアノの音で表現された夏の風物詩、花火。ドビュッシーの「花火」を聞いて、あなたはどんな花火をイメージしますか?
ピアノで聴く夏の風物詩2:盆踊り
花火大会同様、人々が楽しむ夏のイベントといえば盆踊り。お盆の時期に死者を供養するために催される盆踊りから構想を練って曲を作ったのは、日本人作曲家の伊福部昭。多くの著名な日本人作曲家を育てたほか、映画音楽の分野で特に活躍し、「ゴジラ」「座頭市」「ビルマの竪琴」などで音楽を担当した作曲家です。「盆踊」は、1938年に作られた「日本組曲」の第1曲目で、ヴェネチア国際現代音楽祭でも入選し世界的な評価を得た作品です。太鼓の激しいリズムやお囃子、人々が盛り上がって踊っている日本特有の光景を、西洋楽器のピアノでどのように表現したのか是非聴いてみてください。
聞いてみましょう!
■伊福部 昭(1914-2006):「日本組曲」(1. 盆踊、2. 七夕、3. 演伶・ながし、4. 佞武多・ねぶた)
季節を奏でる! 「Summer」を弾こう
音楽鑑賞もいいけれど、自分で夏らしい曲を弾いてみたいという人におススメなのは久石譲 作曲の「Summer」。1999年に公開された北野武監督の映画「菊次郎の夏」のテーマ曲です。トヨタカローラのCMで使われていたこともあるので、誰でも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。軽快で、夏のカラッと晴れた青空をイメージさせる爽やかな雰囲気をもち、ピアノのレパートリーとして人気の高い曲です。自分のレベルに合ったアレンジ譜を探そう
前述の「エステ荘の噴水」や「スカルボ」などは、どれも演奏の難易度が高い曲でしたが、「Summer」はオリジナルがオーケストラとピアノのための曲で、ピアノソロ用は初級から上級までいろいろなレベルに編曲された楽譜が出版されているので、必ず自分に合った楽譜を見つけることができます。
ただし、たとえば同じように「初級レベル」と記されている楽譜でも、編曲者(出版社)によって難易度や演奏した時の雰囲気が多少違うので、楽譜を選ぶ際には、あらかじめネットで視聴したり、楽譜を見比べてから決めるといいでしょう。
今年、初級者用の「Summer」を弾いた人は、来年は中級者用、そしてその翌年には久石譲が演奏しているのと同じ編曲にチャレンジ!というように、毎年レベルアップして夏の課題にして楽しむのもいいですね。
聞いてみましょう!
■久石譲(1950- ): Summer (作曲者本人のライブ演奏)
ピアノの曲を聞いたり弾いたりして楽しみながら、上手に暑い夏を乗り切りましょう!
【関連記事】