マンション管理士試験/マンション管理士の試験・勉強法

重要論点と求められるレベル2 民法等と管理組合運営

マンション管理士試験の法律系の出題で区分所有法に次いで出題数が多いのが、民法です。借地借家法などと絡めて不動産取引に関連する債務不履行、瑕疵担保責任、不法行為などの論点が細かく問われます。また、区分建物の登記、組合会計も毎年のように出題されるテーマですから、押さえておきたいところです。

村上 智史

執筆者:村上 智史

マンション管理士ガイド

六法全書

民法は初学者には厄介なテーマ

マンション管理士試験全50問のうち、民法ならびに不動産関連法、区分建物の登記、そして管理組合の運営について例年10問程度が出題されています。

一口に民法と言っても範囲は広いですが、実際に出題されるテーマを過去の傾向から絞り込むことは可能です。一方、管理組合の運営については管理業務主任者試験と比べると出題は少なめと言えるでしょう。

 頻出テーマを押さえる

過去の出題状況から、この分野で毎年のように問われるテーマを以下に列挙してみましょう。

【民 法】
(1) 契約不履行に対する救済等
債務不履行が生じた際の、契約解除や損害賠償請求の要件や方法について細かく問われます。

(2) 各種契約
不動産に関係が深い売買契約・賃貸借契約・請負契約を中心に、それぞれの成立要件や効力、当事者の責任範囲等について問われます。 

(3) 不法行為
不法行為の成立要件の他、特殊な不法行為として工作物責任、使用者責任、共同不法行為等について頻繁に問われています。 

(4) 時 効
滞納管理費の督促や債権回収の実務に関係が深い消滅時効を中心に、時効の期間や中断要件等について問われます。

(5) 相 続
区分所有者が管理費等を滞納したまま相続が発生した場合を事例に、共同相続や相続の承認・放棄、相続人の不存在等の論点を問われることが多いです。

【区分建物に関する登記】
区分建物の特殊性から、登記事項証明書の記載方法、規約共用部分の取扱い、申請手続の詳細等について問われます。

【管理組合の会計】
毎年1問は必ず出題され、基本的な仕訳について理解が求められます。簿記検定3級レベルの力があれば有利でしょう。

次ページでは、本テーマの過去問に挑戦してみましょう。
  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます