マンション管理士試験/マンション管理士とは・仕事内容

マンション管理士の仕事(5) 光熱費の削減・上(2ページ目)

東日本大震災以降、電気料金が大幅に上昇しています。マンション管理組合が負担する費用項目のうち、管理委託費に次いで大きな支出が共用部分の光熱費です。なるべく光熱費の上昇を食い止める、あるいは削減するための助言や提案を行うことも、マンション管理士にとって大切な仕事と言えるでしょう。

村上 智史

執筆者:村上 智史

マンション管理士ガイド


マンション外観

電子ブレーカーも確実に効果あり

電子ブレーカーの導入

概ね50戸以下の中小規模のマンションで、共用部分の電力を低圧で受電している場合には、電子ブレーカーを導入すれば電気料金を下げることができます。

通常のブレーカーのみを使用する受電契約では、各設備の電力量(kw)の単純合計数値から、電気代の基本料金が決まっていました。これを「負荷設備契約」と言います。

電子ブレーカーを導入すると、エレベーターや機械式駐車場などの各設備を同時に動かすのに必要な時間と電流量(A)を把握したうえで、それを電力量(kw)に換算できます。これを「主開閉器契約」と言います。

マンションの場合は、主開閉器契約にもとづく契約電力量の方が少なく済み、その結果基本料金が下がります。

これは、工場など違って動力系統の各設備が同時に、かつ長時間には稼働しないため、電流量に換算すると電力量が小さくなる傾向があるからです。

もちろん電子ブレーカーにも一定の費用(1台あたり40万円前後)がかかりますから、投資回収に多少の年数は必要です。(※マンションの設備状況によりますが、3年~7年程度の幅があります)

それでも、基本料金の減額効果で確実に投資回収はできますので、十分検討する価値はあるでしょう。(※電子ブレーカーの耐用年数は、15年以上)まして、超低金利が続くこのご時勢としては相当高い投資利回りになるので、修繕積立金の確実な運用手段として打ってつけと言えます。

なお、電子ブレーカー導入の注意点としては、取扱業者に必ず現場で調査を行わせ、実際の電流量の測定を通じて電気料金がどれくらい削減できるかの見込みについて提示を受けることが大切です。

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