中国/中国のグルメ・レストラン

中華料理にぴったり! 中国で最も有名な青島ビール

青島ビール(チンタオビール)は世界最大のビールマーケットである中国において、知名度・完成度共に群を抜く人気のビールです。ここでは、13億人を魅了してやまない青島ビールのアレコレをたっぷりご紹介します! 中華好き、ビール好き必読です。

鈴木 晶子

執筆者:鈴木 晶子

中国ガイド

中華を食べながら「カンペー(乾杯)!」 

青島ビール

青島ビールの定番商品。330ミリリットル3.5~4元。一般的なビールは2元前後なのでやや高め

青島ビール「スーパーの売り場」

青島ビールの売り場。大瓶、小瓶、純生、黒ビールなど豊富なラインナップ

年間販売量4506万トン(2016年度)という世界最大ビール市場・中国には、国内外の大手ブランドのほか、各地方の地元ビールが星の数ほど存在しているのですが、その中で一番有名なビールと言えば、やはり「青島(チンタオ)ビール」です。ちなみに全国一のビール消費量を誇るのは青島が位置する山東省。つまり、青島ビールはビール好きが作るこだわりの逸品というわけです。

青島ビールはその名前からも想像できる通り、1903年に山東省の青島で誕生した中国国内で最も歴史のあるビールです。当時の青島はドイツの租借地だったので、青島ビールは英独合弁という形でスタートしました。

料理にぴったり

青島ビール、すっきり爽やかでありながら、しっかりコクもある…… と言うと「え? 青島ビールにコク?」と疑問に思う人もいるかもしれません。しかし、あえて「青島ビールはコクがあって美味しい!」と言わせていただきます。

青島ビール「黒ビール」

絶妙なキレとコクがたまらない! ビール好きを魅了する青島黒ビール

というのも、一般的に中国のビールは日本のビールと比較して薄味、というか、まるで水の如くサッパリ系で、喉の渇きを潤すのには最高なのですが、ビール好きにはちょっと物足りないという印象があります。かといって、ずっしり重みのあるビールは、濃厚でスパイシーな中華料理に合わせるとややヘビー過ぎ……。そんな中、青島ビールは中華料理との相性においては適度に飲みやすく、かつ、ほどよいコクを感じられる定番的な存在なんです。

そのため、他の中国ブランドより値段はやや高めなものの、青島ビールを選ぶ人は多く、中国全土で愛されています。そのブランド力は強大で、国内だけでなく、日本を含む世界80カ国以上に輸出しており、企業としてフォーチュン・グローバル500にもランクインしています。

青島ビール「鴻運當頭」

赤いボトルがひときわめだつ「鴻運當頭(富は我が手に)」というおめでたい名前の高価格帯ビール。473ミリリットル約40元。

青島ビールの2016年の販売量は792万キロリットルと、一社だけで、日本の総販売量約300万キロリットル(発泡酒・第三のビールを除く)より倍以上も多いのですから、さすが世界のビール総消費量の4分の1弱を占めるビール大国です。

よく日本人には「中国と言えば、白酒か紹興酒だよね」と言われるのですが、酒類の消費量はビールが断トツトップ。宴会なんかでは白酒や紹興酒を、デートではワインを頼んだりもしますが、普段、友人と「飲もっか~」という時はたいてい安くて飲みやすいビール。そのあたりの感覚は日本人とほぼ同じです。

みんなで楽しく、それが中国の食卓

中国ビアガーデン

夏の夜は時間を忘れて夜中まで友人とカンパーイ!最高に楽しい時間

雪花ビール

とにかく安い雪花ビール。青島ビールの手強いライバル

夏になると、レストランの外にテーブルや椅子が並べられたチープなビアガーデンがあちらこちらに登場し、夜になると人がわんさか集まってきます。そして、テーブルにビール瓶やジョッキをずらりと並べて「カンペー(乾杯)!」と声を上げながら、羊肉串(羊肉の串焼き)やザリガニ、タニシといった中華なつまみを食べながら楽しむわけです。

特に北京など北部の男性は豪快で、大瓶からそのままグイーッと飲む姿をよく見かけます。そして、飲み終わった瓶は足元に置くのですが、中には数十本の大瓶を所狭しと並べ、まだ平然と「再来一瓶(ツァイライイーピン/もう一本!)」と瓶を手にする酒豪もおり、そんな強者を目にするたびに“レベルの違い”を感じずにはいられません。

中国のビール事情はこれぐらいにして、青島ビールの説明に戻ります。中国で最も有名なビールと紹介してきた青島ビールなのですが、実は近年、業界トップの座を「雪花(シュエファー)ビール」に奪われているのです。

雪花ビールは1994年に誕生したニューフェイスなのですが、低価格戦略と強靱な販売網でめきめきと成長し、2016年も販売量1171万5千キロリットルと、ここ数年1千万キロリットル越えを達成しています。ちなみに中国ビール業界の御三家は1位・雪花ビール(瀋陽発祥、現在本社は北京)、2位・青島ビール(青島発)、3位・燕京ビール(北京発)。英国『インデペンデント紙』ウェブサイトによると、中国の雪花と青島が、そのまま世界の販売量トップ1と2になるとのこと。味を比較すると、青島、雪花、燕京の順にライトになっていきます。

販売量では次席となっていますが、それでも、青島ビールはやはり“中国ビールの顔”です。毎年8月中旬から下旬にかけて開催される青島国際ビール祭りは世界的にも有名ですし、なんといってもやはり中華料理にピタッと寄り添う味が絶品! 日本でも販売されているので、「今日は中華にしよう」という日はぜひ青島ビールを味わってみてください。

■2017年度 ビール祭り情報
青島国際ビール祭り 8月12日(土)or13日(日)から約2週間(予定)
ハルピン国際ビール祭り 7月16日~7月30日
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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