中華を食べながら「カンペー(乾杯)!」
青島ビールの定番商品。330ミリリットル3.5~4元。一般的なビールは2元前後なのでやや高め
青島ビールの売り場。大瓶、小瓶、純生、黒ビールなど豊富なラインナップ
青島ビールはその名前からも想像できる通り、1903年に山東省の青島で誕生した中国国内で最も歴史のあるビールです。当時の青島はドイツの租借地だったので、青島ビールは英独合弁という形でスタートしました。
料理にぴったり
青島ビール、すっきり爽やかでありながら、しっかりコクもある…… と言うと「え? 青島ビールにコク?」と疑問に思う人もいるかもしれません。しかし、あえて「青島ビールはコクがあって美味しい!」と言わせていただきます。絶妙なキレとコクがたまらない! ビール好きを魅了する青島黒ビール
そのため、他の中国ブランドより値段はやや高めなものの、青島ビールを選ぶ人は多く、中国全土で愛されています。そのブランド力は強大で、国内だけでなく、日本を含む世界80カ国以上に輸出しており、企業としてフォーチュン・グローバル500にもランクインしています。
赤いボトルがひときわめだつ「鴻運當頭(富は我が手に)」というおめでたい名前の高価格帯ビール。473ミリリットル約40元。
よく日本人には「中国と言えば、白酒か紹興酒だよね」と言われるのですが、酒類の消費量はビールが断トツトップ。宴会なんかでは白酒や紹興酒を、デートではワインを頼んだりもしますが、普段、友人と「飲もっか~」という時はたいてい安くて飲みやすいビール。そのあたりの感覚は日本人とほぼ同じです。
みんなで楽しく、それが中国の食卓
夏の夜は時間を忘れて夜中まで友人とカンパーイ!最高に楽しい時間
とにかく安い雪花ビール。青島ビールの手強いライバル
特に北京など北部の男性は豪快で、大瓶からそのままグイーッと飲む姿をよく見かけます。そして、飲み終わった瓶は足元に置くのですが、中には数十本の大瓶を所狭しと並べ、まだ平然と「再来一瓶(ツァイライイーピン/もう一本!)」と瓶を手にする酒豪もおり、そんな強者を目にするたびに“レベルの違い”を感じずにはいられません。
中国のビール事情はこれぐらいにして、青島ビールの説明に戻ります。中国で最も有名なビールと紹介してきた青島ビールなのですが、実は近年、業界トップの座を「雪花(シュエファー)ビール」に奪われているのです。
雪花ビールは1994年に誕生したニューフェイスなのですが、低価格戦略と強靱な販売網でめきめきと成長し、2016年も販売量1171万5千キロリットルと、ここ数年1千万キロリットル越えを達成しています。ちなみに中国ビール業界の御三家は1位・雪花ビール(瀋陽発祥、現在本社は北京)、2位・青島ビール(青島発)、3位・燕京ビール(北京発)。英国『インデペンデント紙』ウェブサイトによると、中国の雪花と青島が、そのまま世界の販売量トップ1と2になるとのこと。味を比較すると、青島、雪花、燕京の順にライトになっていきます。
販売量では次席となっていますが、それでも、青島ビールはやはり“中国ビールの顔”です。毎年8月中旬から下旬にかけて開催される青島国際ビール祭りは世界的にも有名ですし、なんといってもやはり中華料理にピタッと寄り添う味が絶品! 日本でも販売されているので、「今日は中華にしよう」という日はぜひ青島ビールを味わってみてください。
■2017年度 ビール祭り情報
青島国際ビール祭り 8月12日(土)or13日(日)から約2週間(予定)
ハルピン国際ビール祭り 7月16日~7月30日