夏のアウトドア、体調管理のポイントは?
屋外での運動は日焼け止めを忘れずに
暑くても屋外で活動したいアウトドア派の方は、まずは日常生活から積極的に体を動かしてみましょう。通勤や通学、近くへの買い物ではなるべく歩く距離を増やしてみる、もしくは自転車を活用するといったことが比較的取り組みやすいのではないでしょうか。屋内でもエスカレーターやエレベーターを使わずに階段を利用すると、活動量はアップします。本格的に運動に取り組むのであれば、自転車でサイクリングに出かけたり、ウォーキングを楽しんだり。ハイキングや登山などは、激しい運動ではないものの、有酸素運動としてさまざまな運動効果をもたらします。
夏の屋外での活動には、いくつかの体調管理のポイントがあります。まずは日焼け対策をしっかりと行いましょう。日焼けした肌はアクティブな印象をもたらす一方で、しわやしみの原因となりやすく、長期間紫外線を浴び続けると、白内障や皮膚がんのリスクも高まります。日焼け止めクリーム、日差しを避けるための帽子やサングラス、薄手の羽織り物など皮膚の露出を最小限にすることを心がけましょう。詳しくは「脱水・日焼け・熱中症…夏の運動を安全に楽しむ方法」をご覧ください。
暑さ対策でインドア派の人は屋内で運動不足解消を
ストレッチはインドア派にオススメ
暑い時期に汗をかきながら運動するのがどうしても苦手というインドア派の方は、こまめに体を動かす工夫をしてみましょう。普段行う家事全般でも意識すれば、活動量が増えて運動不足解消につながります。つま先立ちのエクササイズやその場でスクワットを繰り返すだけでもいいですし、500mlのペットボトルを持って軽い運動を行うだけでも構いません。時間を取ってじっくり運動したいのであれば、テレビを見ながらストレッチを日課にする、ラジオ体操など簡単にできる運動にチャレンジするといったところから始めてみましょう。
屋内で過ごす時間が多い人は外気温との温度差によって体調を崩さないよう、クーラーなどの設定温度は、およそ5℃以内におさまるように調節しましょう。暑さに体を慣らすことは夏バテの予防にもつながります。
運動中に飲むもの…「こまめに」「適量」であれば好きなものでOK
お茶には利尿作用のあるカフェインが含まれる
暑い時期の運動は汗の量も多くなり、水分だけではなくナトリウムなどの電解質も体外へ排出されてしまいます。脱水症状を予防するためにも水分補給は不可欠なのですが、よく尋ねられるのが「何を飲めばいいのか?」ということです。水に関しては硬水・軟水とそれぞれに特徴がありますし、スポーツドリンクであれば塩分も同時に補給することが可能です。詳しくは「運動後は硬水?軟水? 運動時の水の選び方」をご覧ください。
運動中の飲み物として、ときどきお茶に含まれるカフェインの影響を心配される方がいますが、一気に大量に飲むようなことでなければ、過度に心配する必要はないと考えられます。水分補給は「こまめに」「適量」を飲むことが基本ですので、通常の水分補給では急にトイレが近くなると言ったことは考えにくく、むしろ汗をかくことによって尿量が減ってしまうのが自然な反応です。どうしても気になる場合はカフェインを含まない麦茶などを選んでおくと良いでしょう。
水分補給だけでは不十分? 塩分補給もバランスよく心がけて
運動前後、そして運動中にもこまめに水分補給・塩分補給を行うのはもちろんですが、塩分に関しては意識しすぎるあまりに、極端に取り過ぎてしまうことも体にはよくありません。食事での塩分はいつも通りにして、運動時の水分補給には塩っ気のあるものを少々つまむ程度にすると良いでしょう。スポーツドリンクはこうした点で、バランス良く塩分をとることができるので手軽で便利です。一方でスポーツドリンクには飲みやすさを考慮して糖分が多めに含まれていますので、ミネラルウォーターと交互に飲むなど糖分を摂り過ぎないように気をつけましょう。ペットボトル症候群とは? 注意が必要なスポーツドリンクの飲み過ぎ
ペットボトル飲料の飲み過ぎによる糖分過多には注意を
大人が1日に摂取する糖分量の目安は20~40gといわれています。スポーツドリンクに含まれる糖分は約5~10%程度ですが、これを500mlのペットボトル飲料に換算すると1本あたり25~50gにもなり、水と同じような感覚で何本もガブガブ飲み続けてしまうと、1日に必要な糖分量を軽く上回ることになります。
1990年代に意識障害で病院に搬送された高校生は清涼飲料水を水のように1日2~3リットル飲み続け、急性糖尿病を発症したことが報告されています。10代~30代の若者を中心にペットボトル飲料を好んで飲み、健康を害してしまうことを「ペットボトル症候群」と呼ぶこともあります。
水分補給・塩分補給は大切ですが、何をどのくらい飲むかは十分に注意する必要がありそうです。
運動を楽しく続けるためにも脱水症状を起こさないように、こまめな水分補給・塩分補給が必要です。水分・塩分、そして糖分量に注意して、あなたにあった水分補給を行ってくださいね。
■参考
National Athletic Trainers’ Association Position Statement: Fluid Replacement for the Physically Active(英語・PDF)(全米アスレティックトレーナーズ協会)