腰痛がストレスとなり、ストレスが腰痛のきっかけとなります。認知行動療法で、腰痛の引き金となる思考と行動パターンを見直しましょう
やがて腰痛を繰り返した腰は、慢性的な痛みを抱える慢性腰痛症へと移行する場合があります。すると、腰を使う、使わないにかかわらず、生活の質を脅かす腰痛を繰り返す、ストレスから開放されることがない泥沼状態へと突入します。この場合、慢性の腰痛症が原因なのですから腰痛そのものをやわらげることが最も大切なのですが、脳の記憶と結びついた腰痛などの場合には、なかなかスッキリと解消することが難しいことがあります。
そんな治療に難渋する慢性腰痛では、痛みの改善とともにストレスのコントロールから治療する方法があります。今回は、腰痛が関係するストレスをやわらげることで、腰痛自体を快方に向かわせる方法をお話します。
腰痛のストレスを減少させる3つの方法
あなたは、今感じているストレスと腰痛に関係があると思いますか?関係あり!と感じられるなら、腰痛そのものの治療を進めながら、ぜひ自分でできるストレス解消方法を試してみましょう。これは痛みを管理する医学的に論拠のある方法で、認知行動療法と呼ばれています。痛みストレスを減少させるには、3つの方法があります。- 生活習慣を変える
- 考え方を変える
- 行動パターンを変える
生活習慣を変える
- カフェインを含むコーヒー、お茶、コーラなどの摂取量を減らす
- ジャンクフードをやめ、バランスのよい食生活にする
- 定期的に運動をする。目安は一週間に3回、1回30分以上を目安とする
- 適度な睡眠をとる
- 毎日、自分のために一定の休息を取り入れる
- 深呼吸やイメージ療法など、リラクゼーションを取り入れる
考え方を変える
- 痛みを完全に取り除かなければ治ったことにならない、若かった頃と同じように動けなければダメだ、痛みを感じる前と同じ生活が送れるようになるはずだ、など非現実的な考え方を改め、現実的な目標設定に切り替える
- ユーモアの感覚を養う
- 誰かと会話する、地域コミュニティーに参加するなど、痛みにとらわれない時間を作るよう心がける
- まだ痛い、と考えるのではなく、痛いけどこれができるようになった、と考える
- あえて悲観的な思考で現状を眺める。その後、それほど悪くもないか!と感じてみる
行動パターンを変える
- 痛みが軽い時間に、ぎっちりスケジュールを組み込むことをやめる
- 痛みには軽い状態と悪い状態があることは普通であると受け止め、しなければならないことを計画的に分割するペース配分を行う
- 周囲の人に感謝し、「ありがとう」と声に出してみる
- 相手の気持ちを考え、過度に痛みで攻撃的になった自己主張を行わない