乗り継ぎもスムーズ
成田空港の第1ターミナル南ウイングには「スターアライアンス」の加盟各社が集合
同様に、第1ターミナルの北ウイングには「スカイチーム」各社、そして第2ターミナルには「ワンワールド」各社が集結しています。「ひとつ屋根(ターミナル)の下」に加盟会社が集まり、施設やサービスを共有することで、乗客の利便性を高めようと、各アライアンスは考えているのです。
アライアンスの加盟会社を乗り継ぐ場合は、基本的に成田で全行程のチェックインができ、手荷物も原則として最終目的地まで預かってもらえます。出国審査を通過した後も、ファーストクラスとビジネスクラスの利用者、および加盟各社のマイレージプログラムの上級会員は、各アライアンスの加盟会社のラウンジが使えます。マイレージファンはよくご存知でしょうが、いずれかの加盟会社の上級会員(一部の下位のステイタスは除く)の資格があれば、エコノミークラスを利用するときも原則として各社のラウンジが使えます。なかでも成田の第2ターミナルにあるJALの本館ラウンジや、第1ターミナルにあるANAの2つのラウンジなどは、世界でも有数の規模とサービスを備えた施設として人気があります。
仁川国際空港にある大韓航空の「KAL LOUNGE」(サテライト側)は、主に「スカイチーム」のメンバーが使用
マイレージでの提携が核に
アライアンスのマーケティング戦略の核となるのが、マイレージプログラムでの提携です。マイレージは、搭乗距離や区間数に応じて、無料航空券などの特典がもらえる人気のサービス。アライアンスの加盟会社同士では、マイルの相互加算、特典の相互利用ができます。例えば「スターアライアンス」なら、ユナイテッド航空のマイレージの会員が、ルフトハンザに乗ってユナイテッドの口座にマイルをため、そのマイルをシンガポール航空の無料航空券の特典に交換する、といったことも可能です(加算率や対象となる航空券の種類、特典に必要なポイント数などは、各プログラムによって異なる)。また、年に何度も飛行機に乗るビジネスマンなどのために、共通の上級会員のステイタスを設け、そのレベルにより、ラウンジの利用や空港での優先搭乗、キャンセル待ちの優遇などさまざまなサービスが、世界中どこでも受けられるようにしています。例えばスターアライアンスには「スターアライアンスゴールド」「同シルバー」、ワンワールドには「エメラルド」「サファイア」「ルビー」のステイタスがあります。
旅行ファンにとって、マイレージは大きな関心の的で、提携関係で航空会社を選ぶも人も多いといいます。マイレージが、旅行者を自分たちの陣営に呼び込む重要なツールになるため、各アライアンスはサービスの充実を競っているのです。