アライアンスとは

連合や提携を意味する「アライアンス」。世界のエアラインの最新の動きを知るための、キーワードのひとつです。現在、世界には3つの大きなアライアンスがあります。ユナイテッド航空やルフトハンザ ドイツ航空、全日空(ANA)など26社が加盟する「スターアライアンス」、アメリカン航空やブリティッシュ・エアウェイズ、日本航空(JAL)など11社が加盟する「ワンワールド」、そしてエールフランス航空やデルタ航空、大韓航空など9社が加盟する「スカイチーム」の3つです。

アライアンスの提携はマイレージと切っても切れない関係にあり、旅行ファンにとっても大切なテーマ。「僕はスターアライアンスでマイルをためている」「私はワンワールド派」。そんな会話もよく耳にします。

航空会社はなぜ提携を組むのでしょう。またマイレージのほかに、利用者はどんなメリットがあるのでしょうか。各アライアンスについて詳しく紹介する前に、今回は「そもそもアライアンスとは何ぞや?」という基本的なお話をしたいと思います。

航空アライアンスをひとことで説明すると、エアラインが主に運航やサービスなどの分野において、世界的な規模で協力関係を結ぶ提携グループ、といったところです。ノースウエスト航空(現デルタ航空)とKLMオランダ航空など、航空会社同士の包括的な提携関係は以前からありました。しかし、世界的な規模で大手航空会社が提携グループを組むようになったのは1990年代後半以降のこと。その初のワールドアライアンスが、1997年に発足した「スターアライアンス」です。その後、98年に「ワンワールド」、2000年に「スカイチーム」が発足し、3つのアライアンスが競合するようになりました。

現在は世界の大手航空会社のほとんどすべてが、これら3つのアライアンスのいずれかに加盟しています。JALによると、2008年時点で3つのアライアンスの供給量をあわせると、世界の航空業界の60%を占めるとのこと。その後も加盟会社は増え続けていますから、3大アライアンスが占めるシェアはさらに拡大しています。

アライアンスのメリットとは

「ワンワールド」の公式ウェブサイト。運賃やネットワーク、マイレージ、さらにラウンジの検索なども可能。

「ワンワールド」の公式ウェブサイト。運賃やネットワーク、マイレージ、さらにラウンジの検索なども可能

航空会社がアライアンスを組むのは、主に運航やサービスの面でお互いにメリットがあるからです。「1社の努力、2社間の提携では達成できないベネフィットが、アライアンスでは達成可能」(JAL)といいます。そのベネフィットのひとつが、コードシェア便の運航による、自社ネットワークの拡大です。

コードシェアとは、2つ(またはそれ以上)の航空会社がそれぞれの便名を付けて、共同で運航する形態です。共同といっても、一般的には1社が機材と乗務員を提供し、他社がそれに自分の便名をつけて運航しています。アライアンスに加盟しなくても、2社間でコードシェア便を運航する例はありますが、アライアンスに加盟すると、より密で広範なコードシェアが可能になるのです。

ANAの北米路線を例にとりましょう。現在ANAが自社便を運航するのは、ニューヨークやロサンゼルスなど主要5都市のみです。けれどもANAのウェブサイトなどを見ると、米国だけでも約100都市へ、すべての区間をANA便として予約できます。これはANAがユナイテッド航空などスターアライアンス加盟他社との間でコードシェア便を運航し、それぞれにANAの便名を付けているから。例えば成田からボストン行きを検索すると、ANA008便(成田—サンフランシスコ)とANA7330便(サンフランシスコ—ボストン。ほかにも組み合わせはいろいろあります)が出てきますが、ANA7330便はユナイテッド航空の機材とサービスで運航されます。逆に日本の国内線においても、ANAの運航便にユナイテッド航空やタイ国際航空などアライアンスの加盟会社が自社の便名を付けて運航しています。

つまり、自社では路線展開が難しい都市へも、アライアンス加盟他社とコードシェアを行うことで、幅広いネットワークを築くことができるわけです。コストも、自社便を運航するより大幅に削減できます。もちろん、利用者もまた、予約が便利になるとともに、旅のさまざまな場面でアライアンスのベネフィットが受けられます。