ワンワールド
世界には3つの大規模なアライアンス(航空会社の提携グループ)がありますが、そのひとつが「ワンワールド」(注1)です。日本最大の航空会社である日本航空(以下JAL)が加盟していることから、日本の旅行者にもおなじみのアライアンスといえるでしょう。JALのほかには、アメリカン航空やブリティッシュ・エアウェイズ、キャセイパシフィック航空、フィンランド航空、カンタス航空など、日本路線でも長い歴史をもつ大手航空会社をはじめ、イベリア航空(スペイン)、ラン航空(チリ)、マレブ・ハンガリー航空(ハンガリー)、メキシカーナ航空(メキシコ)、ロイヤル・ヨルダン航空(ヨルダン)など、各国を代表する航空会社が加盟。メンバーはあわせて11社です。「ワンワールド」が発足したのは1998年。3大アライアンスのなかでは、1997年に発足した「スターアライアンス」に次いでスタートを切りました。設立メンバーは、アメリカン航空、ブリティッシュ・エアウェイズ、カナディアン航空(その後、エア・カナダに吸収合併され離脱)、キャセイパシフィック航空、カンタス航空の5社。翌99年から実際の運営が始まり、この年にフィンランド航空とイベリア航空が加盟しています。
各社のクルーがそれぞれの制服姿で勢ぞろい(JALが加盟した07年)。
「サービスのクオリティ向上と維持」が
全メンバーの共通目標
「ワンワールド」は「世界中を飛び回るお客さまに、より快適な価値ある最上級の旅を提供する」ことをコンセプトに掲げています。JALによると「ワンワールドには質の高い、厳選されたメンバーが集い、洗練されたサービスを提供している」とのこと。「ワンワールド」のサービスのクオリティは「3大アライアンスのいずれかのマイレージプログラムにおいて、トップティア(上級会員)のステイタスをもつ、世界12都市の計400名を対象にした顧客調査でも、高い評価を得ました」(同)。また旅行業界の専門家たち18万人の投票により選ばれる「ワールド・トラベル・アワード」では、7 年連続でワールド・リーディング・エアライン・アライアンス賞(世界をリードする航空アライアンス賞)に選ばれ続けています。「パートナーの数ではなく、常にクオリティに焦点を当ててきたことが、世界中の旅行経験豊富な方々に認められ、光栄です」と加盟会社の担当者は語ります。
こうしたサービスの品質に加えて、「ワンワールド」では、リアシュアランス(Reassurance:約束されたアライアンスのサービスとベネフィットが確実に提供されること)、およびタイムセイビングス(Time Savings:オンライン予約から空港到着、機内、到着地での手荷物の受け取りまで、スムーズな旅の実現)の2つを柱に、メンバー間で利用者に対する品質の維持に日夜努めています。