土地購入/土地価格・地価・路線価

2014年路線価は大都市圏の上昇傾向が鮮明に

2014年1月1日時点の路線価が発表されました。相続税法の大改正を半年後に控え、土地評価額の基準となる路線価の動きが気になるところですが、大都市圏を中心に上昇傾向が強まっているようです。今年の傾向をしっかりと確認しておきましょう。

執筆者:平野 雅之


2017年の路線価についてはこちら
2017年路線価は2年連続上昇、最高価格はバブル期超え



住宅地

道路を基準に決められる土地の価格が路線価

2014年(平成26年)1月1日時点の路線価が、国税庁から7月1日に発表されました。

相続税法の大幅な改正による課税強化が半年後に迫っており、土地価格評価の基準となる路線価の動きに注目していた人も多いでしょう。

全国平均では6年連続の下落でしたが、都道府県別の平均では宮城県と愛知県が2年連続の上昇となったほか、東京都、神奈川県、大阪府など大都市圏を中心に6都府県が新たに上昇へ転じています。

相続税贈与税の税額アップにつながるため、路線価の上昇はあまり歓迎されない面も強いのですが、2014年の路線価の傾向を確認しておくことにしましょう。


路線価とは?

路線価には「相続税路線価」と「固定資産税路線価」とがあるものの、一般的に「路線価」といえば「相続税路線価」を指します。

これは、相続税および贈与税の算定基準となる土地評価額であり、毎年1月1日を評価時点として、都市部の市街地ではほぼすべての路線(公道)に対して価格が付されます。その他の地域の宅地については、固定資産税評価額に対する倍率を定める「倍率方式」によります。

この路線価は公示地価の8割が目安とされています。

地域によっては実際に取引される実勢価格との間にかなりの相違があるものの、路線価の調査地点(標準宅地)数は約34万で、公示地価の約2万3千よりも格段に多く、地価の傾向を知るためには公示地価よりも適した指標となります。

路線価の特徴や公示地価との違いなどについて詳しくは≪路線価・公示地価・基準地価の違いを知る!≫をご覧ください。

また、国税庁のサイトにおいて2014年分の路線価図が、7月1日から公開されています。こちらでは、2008年(平成20年)から2014年(平成26年)まで7年間分の路線価図などを閲覧することができます。


東京都、大阪府などは6年ぶりに上昇

路線価の全国平均は前年比0.7%のマイナスで6年連続の下落だったものの、下落幅は1.1ポイント縮小しています。下落幅の縮小は5年連続となりました。

都道府県別の平均では、宮城県が2.4%(前年は1.7%)のプラス、愛知県が1.2%(同0.1%)のプラスで、いずれも2年連続の上昇でした。

また、東京都(1.8%)、福島県(0.8%)、神奈川県(0.8%)、大阪府(0.3%)、埼玉県(0.1%)、千葉県(0.1%)の6都府県が新たに上昇へ転じています。

東京都、神奈川県、大阪府がいずれも6年ぶりの上昇となったほか、福島県はバブル末期の1992年以来、22年ぶりの上昇でした。

さらに沖縄県は横ばいとなり、残る38道府県はいずれも下落幅が縮小しています。

すべての都道府県で下落幅が縮小(または上昇へ転じる)という状況は2年連続であり、2012年には21県で下落幅が拡大していたのとは大きく異なります。地価の底打ち感が鮮明になってきたといえるでしょう。

下落幅が5%を超えた県はなく、最も大きく下がったのは秋田県のマイナス4.8%、次いで鳥取県(マイナス4.2%)、青森県(マイナス4.0%)などとなっています。この3県を含め、下落幅が3%を超えたのは11県でした。

東日本大震災の被災県では、宮城県と福島県が上昇し、岩手県は1.7%のマイナスだったものの、前年より下落幅が2.3ポイント縮小しています。復興の妨げになるような影響が出なければよいのですが……。

なお、原発事故による帰還困難区域、居住制限区域などでは、引き続き評価額を「ゼロ」とする措置がとられています。


都道府県庁所在地の最高路線価、税務署別の最高路線価の状況…次ページへ

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