テクノポップ/アーティストインタヴュー

加藤賢崇『若さ、ひとりじめ』復刻(3ページ目)

ソリッド・レコードより初期重要作品、3タイトルが同時リリースされました。『ハレはれナイト』に続き『若さ、ひとりじめ』の復刻を記念して、東京タワーズ、京浜兄弟社の一員、俳優そしていぬちゃんの作者としても知られる加藤賢崇さんが登場です。東京タワーズ時代から時代検証ともなるお話を伺いました。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

スパークスからの影響

ガイド:
意味不明のタイトル「亀の小指ダンス」でついにテクノポップ、いや今で言う所のエレクトロディスコ的展開になります。この曲は東京タワーズとしてもやっておられましたが、やはりアレンジを担当したOrganizationの永田一直さんと三宅剛正さんの意向でこのような形になったのですか?

賢崇:
やはり岸野がもっともリスペクトするスパークスが、ジョルジオ・モロダーと組んだ「No.1 in Heaven」(1977年)の影響が大きいのですが、永田くんのアイデアや三宅くんの構成力が貢献してくれています。

時代はネオアコ

ガイド:
『ハレはれナイト』にも収録されている「バーゲン」は、ここでは爽やか路線に。こっちは、「2001 Version」とありますが、まだ来ていない未来のヴァージョンとなったのはどうしてですか?

賢崇:
90年代はすっ飛ばして21世紀指向みたいな、気持ちだけでも先取り、てとこですね。アレンジ的には前のバージョンから2年の間に、時代はネオアコになってたので自然と呼応したんでしょうね。

81年からリズム歌謡考察

ガイド:
菊地成孔さんのサックスが冴える「100発100中」は、リズム歌謡ど真ん中。その後、レアグルーヴとしてこの辺りのサウンドも再評価されますが、1991年というのは早いですね。賢崇さん及び京浜兄弟社の面々の中で、この辺りのサウンドは既に注目されていたんですか?

賢崇:
ほんとは86年頃にカバーしていたんですが、やっと形にできたんですね。リズム歌謡考察は81年頃からずっとやっていて、まあ大滝詠一さんの影響もあるとは思いますが、当時は日常的に中古盤屋を漁る習慣があってのことですね。90年代以降は当たり前のようにCDやビデオが復刻されたので、後の世代におまかせしますが。

 

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