加藤賢崇『若さ、ひとりじめ』復刻(2ページ目)

東京タワーズか加藤賢崇ソロか？

ガイド：
京浜兄弟社オムニバスの復刻も楽しみです！
では、本題となる賢崇さんのソロ・アルバム『若さ、ひとりじめ』について伺います。元々は1991年に発売された作品ですが、今回の復刻ではオリジナルのジャケは裏になって、より爽やかな青空バックのジャケが表になっていますね。しかし、どうしてスケボーを抱きかかえているんですか？

賢崇：
最初は海辺の砂浜でサーフボードの代わりにスケボーを持ってたら面白いんじゃないか、という岸野の提案だったんですが、海でロケできなかったので上半身だけの写真になりまして、91年のときはそれが思ったほど狙いにハマらない気がして、加工したCGぽい画像になったんですが、今回の再発に際して、やっぱり当時撮ったままの写真を使用することにしました。まあ昔の清涼飲料水の広告みたいな、あからさまな夏っぽさに見えればよいかな？という感じです。
若さ、ひとりじめ+10 (amazon.co.jp)
01. オーバチュア
02. その時、街のように II
03. グッド・タイミング・ザ・ワールド・オブ・ラブ・ソング
04. 河童天国
05. 亀の小指ダンス
06. ファーブルの森
07. バーゲン（2001Version）
08. 宇宙フーテン旅行
09. 100発100中
10. その時、街のように I
11. いぬちゃんのうた（Rod Mix) - Special Bonus Track
＜ボーナストラック＞
12. オーバチュア（LIVE at 1991.8.31）
13. その時、街のように II（LIVE at 1991.8.31）
14. ザ・グッドタイミング・ワールド・オブ・ラブソング（カラオケ）
15. 河童天国（カラオケ）
16. 亀の小指ダンス（カラオケ）
17. ファーブルの森（LIVE at 1991.8.31）
18. バーゲン（LIVE at 1991.8.31）
19. 宇宙フーテン旅行（カラオケ）
20. 100発100中（LIVE at 1991.8.31）
21. いぬちゃんのうた（カラオケ）

加藤賢崇「若さ、ひとりじめ+10」 (YouTube)
ガイド：
岸野社長がサウンドを取り仕切り、東京タワーズのメンバーが全面的に入り、東京タワーズとしてもやっていた曲も含まれていますね。東京タワーズではなくて、賢崇さんのソロとして出された訳は？

賢崇：
ライナーにも書いたのですが、まあ時期的にバンドというスタイルにちょっと飽きてたとこはあるかもしれないですね。東京タワーズとして制作したほうがよかったかな、と後悔はありますが、内容的にはこれが正解だったと思います。

苦肉の策としてのダイナミックな展開

ガイド：
「オーバチュア」から始まるこのアルバム、次の曲の予想が出来ない、したとしても、裏切られてしまう、ある意味ダイナミックかつすっとぼけた展開になっていますね。アルバムのコンセプトとして、そういう意図があったのでしょうか？

賢崇：
1曲ずつ別々のアレンジャーを立てることで、どういう構成にしても曲ごとに印象が変わって行くアルバムにできる想定は最初からありました。それもこれも、ぼくのボーカルがどんな曲を歌っても色が歌謡曲ぽくなってしまうところを逆手に取った、苦肉の策であるとも言えますね。

ブライアン・ウィルソン再評価

ガイド：
「グッド・タイミング・ザ・ワールド・オブ・ラブ・ソング」は、ビーチボーイズ的コーラスが入ったソフトロック。これは誰の功績が大きいのでしょうか？

賢崇：
もちろんアレンジを担当したゲイリー芦屋くんの力なのですが、91年当時は『ペットサウンズ』並びにブライアン・ウィルソンの仕事の再評価が特に高まり始めていたので、時代の要請でもあったと言えますね。