掃除/掃除グッズ

セスキ炭酸ソーダの使い方!キッチンや風呂場で使える多機能掃除用品

今回は、「セスキ炭酸ソーダ」について解説! セスキ炭酸ソーダは、重曹とほぼ同じような汚れや箇所に利用できますが、水に溶けやすいという「セスキ炭酸ソーダならでは」の性質を活かすと、より多様な使い方ができるでしょう。日常的なお掃除にぜひ役立ててみて下さい。

藤原 千秋

執筆者:藤原 千秋

家事・掃除・子育てガイド

セスキ炭酸ソーダの使い方

セスキ炭酸ソーダの使い方

<目次>

「セスキ炭酸ソーダ」とは?

セスキ炭酸ソーダ

セスキ炭酸ソーダ(アルカリウォッシュ)

かつては知る人ぞ知るエコ掃除(洗濯)素材だった「セスキ炭酸ソーダ」。ここ数年で100円ショップの洗剤売り場にも並ぶようになり、手に入れやすく、お茶の間にもだいぶ浸透してきました。ただ、ちょっと難しそうな名前なため、利用するのは及び腰でいたという方もいるかも知れません。

「セスキ炭酸ソーダ」という名称はとっつきにくく感じられても、私たちは意外に身近なところで、この素材と文字通り「触れ合って」いたりします。それは、お風呂。「セスキ炭酸ソーダ」は、市販の「入浴剤」の主成分であることがとても多いのです。小さな文字なので読みにくいかも知れませんが、手近な入浴剤の成分表示で確認してみて下さい。

この「セスキ炭酸ソーダ」は通常、白くてサラサラした結晶状で、重曹にとても良く似ています(※注)。ただ、「水に溶けやすい」性質である点が、重曹とは大きく違うところです。

5%水溶液のpHは、およそ9.6から10と重曹より強めの弱アルカリ性を示し(重曹はpH8前後なので、セスキ炭酸ソーダのほうが、約10倍アルカリが強いと言えます)、油脂を乳化したり、タンパク質を分解する働きがあります。「セスキ炭酸ソーダ」は、常温で長期間保存していてもほとんど変質しないので、家庭で保管するのも楽です。

※注>「セスキ炭酸ソーダ」は「重曹」と「炭酸ソーダ」の複塩(主に無機化合物の酸と塩基のうち、陽イオンまたは陰イオン、或いは両方を2種類以上含む塩のこと)で、「セスキ炭酸ソーダ」を水に溶かすと、「重曹」と「炭酸ソーダ」に分かれます。
 

「セスキ炭酸ソーダ」の活用法

水道水で溶くだけ、簡単!

水道水で溶くだけ、簡単!

セスキ炭酸ソーダは、有名なエコ掃除素材である重曹と、ほぼ同じような汚れや箇所において利用できますが、水に溶けやすいという「セスキ炭酸ソーダならでは」の性質を生かした活用法を取り入れられると、より多様な使い方ができるでしょう。

基本的に、水に溶かした溶液の、弱アルカリ性の液性を利用して、「脂肪酸汚れ」(油脂が分解されたもの。皮脂、垢やキッチンの油汚れなども)や、「タンパク質汚れ」(キッチンの汚れに多く含まれる。牛乳、卵白、血液汚れなども)等、弱酸性を示す汚れを中和して緩め、落としやすくします。主に以下のように活用して下さい。

・水道水などに溶き、セスキ炭酸ソーダ水溶液とする
・セスキ炭酸ソーダ水溶液をスプレー容器に入れ、少量ずつ噴射し、綺麗なタオルや雑巾で拭き取る
・セスキ炭酸ソーダ水溶液をスプレー容器に入れ、少量ずつ、タオルや雑巾に噴霧して拭き掃除する
・セスキ炭酸ソーダ水溶液をスプレー容器に入れ、少量ずつ噴射し、拭き取らずに自然乾燥させる
・セスキ炭酸ソーダ水溶液に浸したタオルや雑巾を使って拭き掃除する
・セスキ炭酸ソーダ水溶液に浸したタオルや雑巾を電子レンジで1分程度温めたもので拭き掃除する
・水で濡らして絞ったタオルや雑巾を電子レンジで1分程度温めたものに、セスキ炭酸ソーダ水溶液スプレーを少量ずつ噴霧し、拭き掃除する
・粉末のまま掃除箇所に振りかける

※セスキ炭酸ソーダ水溶液は、リビングでは濃度1~2%、キッチンの油汚れの酷いところで5%程度を目安に作ります。一度作ったもの(スプレー)は、1~2ヶ月を目途に使い切って下さい。
フローリングに付いた足裏脂などをスッキリ落とします

フローリングに付いた足裏脂などをスッキリ落とします

●リビング
・フローリング床などの簡易掃除(スプレーを噴霧しながら濡れ雑巾で拭き取る)
・ビニールクロス壁などの簡易掃除(キッチンから漂った油煙などの汚れを落とす)
・照明器具の汚れ落とし(直接噴霧せず、雑巾やタオルに吹き付けてから)
・ドアノブ、スイッチなどの手垢落とし(直接噴霧せず、雑巾やタオルに吹き付けてから)
・クッション、ラグ、カーテン、布ソファなどのファブリック類に噴霧し、ニオイ消し(汗臭いニオイ、臭い靴下など蒸れた靴のニオイ、食べ物が饐えたようなニオイなど酸性の悪臭を中和)
・クッション、ラグ、カーテン、布ソファなどのファブリック類(洗濯できないもの)の表面汚れを拭き掃除(電子レンジで温めると汚れ落としに効果的。乾きも早い)
・窓などの簡易掃除(スプレーを噴霧しながら乾いた雑巾で拭き取る。キッチンから漂った油煙などの汚れに)
キッチンに関してはあらゆる箇所の汚れに有効

キッチンに関してはあらゆる箇所の汚れに有効

●キッチン
・キッチン床の簡易掃除(落ちた油煙汚れ、食材汚れ等を、水溶液に浸した雑巾で拭く)
・キッチン壁の簡易掃除(飛んだ油汚れなど、スプレーを噴霧しながら乾いた雑巾で拭き取る)
・照明器具の汚れ落とし
・換気扇フードの汚れ落とし(直接噴霧せず、雑巾などに吹き付けてから)
・換気扇の日常的な汚れ落とし(スプレーをしっかり噴霧したボロ布などで拭き取る。汚れが酷い場合は、取り外しパーツをバラバラにしてから、スプレーをしっかり噴霧ししばらく置き、その後洗うかボロ布などで拭き取る)
・レンジ周り、調理台などの汚れ落とし(スプレーを噴霧してしばらく置き、ボロ布などで拭き取る)
・冷蔵庫上部、食器棚上部や脇等、油煙とホコリが混じった汚れの拭き掃除(スプレーをしっかり噴霧したボロ布などで拭き取る。コンセント等を濡らさぬよう注意)
・魚焼きグリル内、オーブン内、電子レンジ内などの汚れ落とし(水溶液に浸したタオルやボロ布で拭く。電子レンジ内部は、この濡れタオルを1~2分加熱したスチームを利用して汚れを緩めると良い。ただし火傷には注意)
・シンクや排水口のヌメリ落とし(スプレーを噴霧し、しばらく置いてからスポンジや古歯ブラシで擦る。酸性の悪臭の中和にも)
お風呂場の汚れはあまり溜めないように。セスキ炭酸ソーダには、残念ながらカビ落としの効果はありません

お風呂場の汚れはあまり溜めないように。セスキ炭酸ソーダには、残念ながらカビ落としの効果はありません

●お風呂場
・浴槽や洗い場の簡易掃除(スプレーを噴霧してスポンジ等で擦る。汚れが余り酷くないとき)

●洗面所
・洗面所床の掃除(ビニール製のクッションフロアに定着しやすい、親油性の汚れを落とすのにセスキ炭酸ソーダが向いている。スプレーを噴霧してしばらく置き、乾いた雑巾で拭き取る。汚れがしつこい場合には、メラミンスポンジで擦る)

●トイレ
・トイレ床の掃除(洗面所と同様)

●寝室、子ども部屋
・寝具やじゅうたんなどに嘔吐されてしまった場合の応急処置(掃除)。表面の汚れをトイレットペーパーや新聞紙で取ったあと、「セスキ炭酸ソーダ」溶液に浸した雑巾や、スプレー、ボロ布などを使って汚れを緩めながら拭き取る。ただし畳や茣蓙は色が変色してしまうので使わないこと。

●玄関、ベランダ等
・玄関ドア、インターホン、ポスト等に付いた煤煙汚れは、スプレーをたっぷり噴霧した雑巾などで拭き取る。
・水を使えない集合住宅などのベランダ床や壁に付いた煤煙汚れは、溶液に浸したボロ布などで拭き取る。
・窓ガラス(外側)、網戸などに付いた煤煙汚れ落としにも。網戸掃除にはメラミンスポンジを併用するとより容易。(参考→『網戸掃除の仕方』
 

セスキ炭酸ソーダ使用の注意点

セスキ炭酸ソーダは、畳の掃除に使ってはいけません。黄変してしまい、元に戻りません

セスキ炭酸ソーダは、畳の掃除に使ってはいけません。黄変してしまい、元に戻りません

基本的に入浴剤になる程度に安全ではありますが、以下の注意点は忘れないようにして下さい。

・子どもの手の届かないところで保管して下さい。子どもやペットの誤飲・誤食に注意(舐めるとえぐみのあるしょっぱさで美味しくありませんが、念のため)

・変色の恐れがあるのでこれらには使用しないようにして下さい(タンパク質に作用します)
アルミ製品(鍋、食器など)
畳、ゴザ(い草製品)
ジュート(黄麻)など天然繊維のラグやカーペット
無垢材、白木のフローリング、桐など天然木の柱や建具など
無垢材以外の塗装した木部分(出窓や腰高窓の枠など)

・セスキ炭酸ソーダ溶液を加熱して掃除等に使用する際、50℃以上になったものは強アルカリを示すため、素手で扱うと危険です。また、掃除対象の塗装を剥がしてしまうことがあるので充分注意して下さい。

・体に及ぼす影響として以下の内容は了解しておいて下さい。
セスキ炭酸ソーダを触って指先がヌルつくのは、セスキ炭酸ソーダが指先の皮膚のタンパク質を溶かすためです。皮膚が敏感な方や弱い方は、ゴム手袋をするなど扱いに注意しましょう。
セスキ炭酸ソーダは白い結晶の粉末状で購入することが多いものですが、この粉末を吸入してしまうことで呼吸器を傷めたり、喘息を悪化させることがあります

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