中国四大料理の一つ、四川料理
中華料理は、世界三大料理の一つ。中華料理とひと口に言っても、地域によって特色が大きく異なるため、その料理が生まれた場所によって、さらに8つの地方料理に分類することができます。そんな地方料理の中で、中国四大料理と称されるほど発展を遂げた料理、それが「山東料理」、「広東料理」、「江蘇料理」、そして「四川料理」です。中国8大料理のマップ
特筆すべきは、四川料理を除いて、他のすべての地方料理はどれも沿岸地域で発展してきたということ。内陸部にありながら、四川料理は、どうして中国四大料理と呼ばれるまでになったのでしょうか?
四川料理の魅力
四川料理の魅力をわかりやすく言いあらわした格言があります。四川料理には、それほど料理のバリエーションが豊富に存在し、そして多彩な味付けがあるということ。「一菜一格、百菜百味」
”一つ一つの料理にそれぞれの味わいがあり、百の料理には百の味がある”
四川は、内陸部にあるため、海の幸などの食材は乏しいですが、「天府之国」と呼ばれるほど、肥沃な土壌があり、豊富な農作物を収穫できる地域。
湿った気候に合わせ、体を温めるよう香辛料を巧みに用い、豊かな独自の食文化を作りあげてきました。
そんな四川料理は、実は中国全土でもっとも人気がある地方料理とも言われています。
四川の人は四川料理しか食べない?
日本で外食をする場合、家では和食を食べることが多いためか、イタリア料理、スペイン料理などの洋食から、インド料理、タイ料理、中華料理に至るまで、あえて和食とは違った食事を選ぶ方も多いのではないでしょうか?四川の人たちは、ランチに四川料理、夜も四川料理、明日も四川料理・・・と基本的に毎日、四川料理を食べます。まだ発展途上で各国、各地域の料理が入って来ていないという見方もできますが、個性が強く、種類も豊富な四川料理の前に、どんな料理もかすんでしまう、そんな見方もできるかもしれません。
本場の四川料理とは?
四川料理は中国語で川菜(チョワンツァイ)といい、一番の特徴は、ご紹介したとおり、その豊富な味付けにあります。花椒(ホァジャオ)と呼ばれる山椒の一種の実を使うことで、「しびれる」を引き出す「麻(マー)」の味と、四川特産の唐辛子を使った「辣(ラー)=辛い」を組み合わせます。これが「麻辣(マーラー)」という四川料理を代表する味付けです。麻辣味が特徴の四川料理、写真は「麻辣タン」
その他には、豆瓣醤(トウバンジャン)、生姜、ニンニクを油でしっかり炒め、香りを閉じ込めたのち、黒酢と砂糖で酸っぱ甘い味付けをする「魚香(ユィーシャン)」味、ラー油をたっぷりつかった「紅油(ホンヨウ)」味、唐辛子と花椒をふんだんに使い、辛い香りを引き出す「香辣(シャンラー)」味など、四川特有の味付けを上げればきりがありません。
そんな四川料理を称えて、中国では
とも言われています。「食在中国、味在四川」 (食は中国にあり、味は四川にあり)
四川料理が今のような辛い味付けになった理由は?
四川料理に大量の香辛料が使われるようになったのは、明朝末期といわれてい干海椒(ガンハイジャオ)。水分が少なく保存に適した唐辛子。一番よくつかれわます。
四川に来たら、これは絶対食べてほしい!刺激的で口から火を噴きそうな激辛料理をわかりやすくご紹介します。ぜひ、四川へきて、本場の四川料理を思う存分味わってください!
小腹が空いたら食べたい四川名物「紅油餃子(ホンヨウジャオズ)」
成都の餃子専門店「春陽餃子」にて
小腹が空いたら食べたい四川名物「涼粉(リャンフェン)」
老舗「張老五涼粉」の川北涼粉
涼粉はいくつか種類があり、ニンニクがきいたパンチのある味付けの「川北涼粉」、旋子(シュインズ)という道具を使い作る「旋子涼粉」、成都郊外にある客家の街「洛帯(ルオダイ)」の名物、泣くほど辛いと言われる「傷心涼粉」など有名です。
四川の代表的な料理「陳麻婆豆腐(チェンマーポードウフ)」
四川料理の代名詞「陳麻婆豆腐」
日本に支店もある陳麻婆豆腐の本店は成都にあります
最近、日本でも嗜好が変化してきて、より本場の味を求める人が多くなり、本場の味に近い麻婆豆腐が到る所で食べられるようになりました。それでもやはり、成都にある陳麻婆豆腐の本店で、アツアツの土鍋で提供される超本場の麻婆豆腐を食してみたい、これこそ圧倒的な食の体験です。