あかりを使って「透かす、揺らす」のが演出のポイント

ガイド:では、具体的なあかりの演出方法について教えていただけますか?

大庭さん:例えば、窓の近くに照明器具を置いて楽しむ方法について説明しましょう。

窓とレースのカーテンの間にLEDの照明器具を置くと、レースのカーテンから透けるあかりが部屋を演出してくれます。夜は、あえてレースのカーテンだけにすると表情が楽しめますよ。わが家では、レースのカーテンの柄も少し遊び心のあるものを選んでいますので、光の入り方も独特です。

窓から見える向かいのマンションのあかりとLED照明器具、レースのカーテンを利用した演出。アイデア次第でおしゃれなインテリアが可能

窓から見える向かいのマンションのあかりとLED照明器具、レースのカーテンを利用した演出。アイデア次第でおしゃれなインテリアが可能


ガイド:なるほど。いわゆる「陰影礼賛」の世界は、日本人のDNAが持つ美的センスの一つだと思うんですけれど、単に明るくするだけじゃなく、あかりをコントロールするおもしろさがありますね。

そのほか、季節的なものはどうですか? 例えば、暑い季節に涼しさを呼ぶような演出方法とか、逆に暖かさを感じる演出方法はありますか?

大庭さん:夏なら、ガラスのテーブルの下に、植物(わが家ではアジアンタムです)を置いて、そこに光を当てるという方法はどうでしょうか。葉が光を反射したり、葉の陰がテーブルや壁に映って涼しげな雰囲気が出ます。そのとき、扇風機の風を植物に当ててあげると葉が揺れるので、葉陰や光の揺らぎも楽しめますね。

夏はやっぱりクールに、ブルー系の光に調光して、植物のような揺らぐものを利用したり、ガラスなどのクリスタル系や、アルミのような金属の冷たさを連想させるアイテムをプラスして演出するのがいいと思います。

植物とLED照明器具を合わせた夏のコーディネート。揺らぐ光や影、ガラスや金属製のテーブルの脚が涼しさを演出しています

植物とLED照明器具を合わせた夏のコーディネート。揺らぐ光や影、ガラスや金属製のテーブルの脚が涼しさを演出しています


ガイド:LEDなら熱を出さないので、照射物に対する影響もそれほど気にしなくてよいですね。花とか植物には、熱照射できませんから、LEDならこういった演出もしやすくなりますね。

大庭さん:冬場は、たとえば電池式のキャンドル型LED照明器具を複数並べるのもよいアイデアだと思います。赤みのあるあかりで、心が和みますよ。コードレスの照明器具は工事も必要なく、持ち運び自由なのがいいところです。なにより手軽にチャレンジしやすいですし。
防水タイプのものであれば、お風呂に持ち込んでもいいですね。揺らぐあかりなのでとても癒しになりますよ。

電池式のキャンドル型LED照明器具なら、持ち運びできるので好きな場所に置くことができます。こんなふうに窓辺に並べても素敵です

電池式のキャンドル型LED照明器具なら、持ち運びできるので好きな場所に置くことができます。こんなふうに窓辺に並べても素敵です


「我慢はしない、楽しめる節電」こそが新しい節電

ガイド:木漏れ日とか揺らぎとか、誰もが体験したことがある心地よい自然現象が部屋に再現されると、それだけでちょっと癒やされますよね。それに、それほど難しくないのでいまの暮らしに取り入れやすいでしょう。あまりお金をかけなくてもできますしね。

大庭さん:そうですね。実は今まで一番、皆さんが気にしていたのは「省エネによっていくらくらい得をするのか」といった「お得感」でした。私もずっと省エネアドバイスをしていて感じることですが、節電効果を期待する人たちはすでにあかりをLEDに変えているんですね。でも、多灯にはしていません。「もったいない。」と思うからです。ただただ、無駄なあかりを見つけては消し、時には必要なあかりであっても不便を感じつつ消すような努力をしています。
でもこれからは、そういった「我慢の省エネ」から、「生活への付加価値」が得られるような省エネにシフトしていかなければならないと思うんです。

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ガイド:実際、アイテムを照明だけに限って省エネを考えると、LEDにすることで節電効果が得られ、電気代も安くなります。でもそれだと、他の電気製品や省エネ器具と変わらない。もちろん、それも大事なことなんですけど、あかりをLEDにすることで、省エネ効果に加えてこんなにプラスアルファの「楽しさ」があるということを知ってもらいたいですね。

大庭さん:楽しめる節電にしなければ、ということですね。こういったことは、日本人はまだまだ不得意かなと思います。

今回ご紹介したようなリビングだけじゃなく、ダイニングでも楽しめるような演出はできるわけです。いまは飾っても楽しいお鍋もいっぱいあるでしょう。それで料理を作って、テーブルに持ってきたら、天井に付けたペンダントライトから温かみあるあかりで、お鍋をやさしく照らしてあげる。それだけでもう雰囲気は作れてしまうわけです。しかも手軽に、電気代もそれほど気にせずに。

それから、一度部屋の照明を設置するとずっとそれを使い続けてしまう傾向がありますね。1回決めたら終わりだと思っている方が多いのではないでしょうか。コストを考えるとそうなってしまいがちですが、でもそうじゃない。その点、海外、とくにフランスの方などはあかりの使い方がとても上手だと思います。

ガイド:どんなところで、そう感じますか?

大庭さん:たとえば、夜は暗い部屋の中にあかりがコーナーごとに灯っていて、そのあかりのもとで、夫婦二人で音楽を聞いたり、会話を楽しんだりするんです。あかりが人を惹きつけるということを、よくご存知なのでしょう。
さらに言えば、「赤みのあるあかり」をうまく使っていますね。ファブリックとの調和のさせ方もやっぱり上手で、学ぶところが多いです。明るいか暗いかだけじゃなくて、その中間くらいの曖昧な明るさをうまく使っている感じです。そんな照明器具をひとつ、取り入れるところから始めるのもいいのではないでしょうか。

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ガイド:私たちも、欧米のあかり文化を無理やり日本人に押し付けるつもりはないのですが、少なくとも「天井に一灯だけ照明器具を付けて、上からだけ光が降り注ぐ」というのが正解じゃないということは、伝えていきたいですね。
ここで紹介した方法を参考にして、省エネを心がけながらも、いつもの部屋を少し変えてみる、そんなところからチャレンジしてほしいと思います。

本日は、ありがとうございました!


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