『あめのひのえんそく』ってどんな遠足になるのかな!?
楽しみにしていた園の遠足の日は、朝から雨が降り続いています。でも、子どもたちは長靴をはいてかっぱをまとい、傘をさし、笑顔で大きなバスに乗り込んでいきます。バスが目指すのはぶどうやま。こんなに雨が降っていても遠足決行なんだ! どんな遠足になるのかな!? 無事にぶどう狩りができるのかな!? 『あめのひのえんそく』は、これからの展開が楽しみになるこんなシーンから始まります。トンネルや空に楽しい仕掛け
バスはたくさんの山のトンネルを抜けて目的地へ向かって走っていきますが、その中で楽しい仕掛けに出会えます。トンネル部分には穴が開いているので、指を通して遊ぶのも楽しいですし、たくさんの車がトンネルを向けて走っていく様子をリアルに感じることができるでしょう。次々と登場する山は、それぞれ異なる色の木や、田んぼ、牧場で覆われていて、ページをめくるたびに現れる鮮やかな色の山も心を躍らせてくれます。山は、雨によって色の鮮やかさを増しているようです。どのページにも、バスやトラック、乗用車などたくさんの車が走っているので、車好きのお子さんだったら、まだストーリーを追えない年頃でもとても楽しめるようです。雨の中、次々に現れる鮮やかな山とたくさんの車に目を奪われていたら、あら!? 空に素敵な変化が! 皆さんはどこでその変化に気づくでしょうか。
ひとりひとりの思いを乗せた遠足バス
雨の中を走る遠足バスは、子どもたちひとりひとりの思いも乗せて走っています。子どもたちは雨模様の景色の中に、晴れの日とは違ったたくさんの発見をしながら、目的地のぶどうやまでの時間に思いを馳せていることでしょう。いくつ目かの山を越えて海が目前に広がったころから、雨足が弱まってきました。ぶどうやまに到着し、雨によってもたらされた美しい空を見上げながらはしゃぐ子どもたちの様子。出発時からページをめくりながら一緒にバスに乗ってきたような気持ちになっている読み手や子どもたちも、さわやかな感動を味わえることと思います。そして、絵本の中では子どもたちや先生たちだけでなく、もう1人、この遠足に熱い思いを持って目的地まで子どもたちを届けた人がいます。裏表紙で照れくさそうに笑いながら、後ろ手にかわいいグッズをもったこの人に、にっこり笑顔にさせられてしまいますよ!