テクノポップ/アーティストインタヴュー

ぶどう÷グレープ~アムステルダム(4ページ目)

2度にわたるUKツアーを行ったぶどう÷グレープが、新作『アムステルダム』を引っさげて帰ってきました! バンドを代表して、最近本を出したながい÷グレープさんとくみんこ÷グレープさんを迎えて、新しい波に向かっていくぶどう÷グレープの心意気について熱く語っていただきました。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

経済に負けないロックバンド人生

ガイド:
rockbandlife

経済に負けないロックバンド人生

ちょっと話が飛びますが、人生の話。昨年、ながいさんはエッセイ集「経済に負けないロックバンド人生 ー反省時間は終わりにしようー」を発表されていますね。これはながいさんの半生記なんでしょうか?

経済に負けないロックバンド人生 (amazon.co.jp)

 

ながい:
出版社の担当者に、音楽活動を中心とした半生記を、と言われ書きつづったものです。自分の、成功とは程遠い歩みながらも、適度な浮き沈みの中で経験した30年以上のミュージックライフをまとめてみました。悲惨な状況を書いた章が特に好評みたいですね(笑)。パンクロックに出会い、音楽に対して能動的になった頃からのエッセイです。パンク以前の小学生時代などを書いた原稿も提出したんですが、ボツになりました。

交通ソングをあえて並べた

ガイド:
「脳ミソ渋滞中」の後「迷いの交差点」と、“交通”ソングが並んでいますね。確かに僕たちの毎日は、渋滞したり、交差点に打ち当たったりしますからね。これはたまたま二つとも交通がモチーフになったのですか?

ながい:
共に交通を下敷きにしていますが、前者は「停滞気味な人生に対するフラストレーション」後者は「恋愛のプロセスで臆病になっている乙女心」がテーマになっています。もちろん聴き手が好きに解釈して聴いてくれればそれで良いですが。曲順を組んだ時、交通ソングが並んでしまったな、変えた方が良いかなとちらっと思いましたが、あえて並べてみました。

波紋という現象

ガイド:
「The End」は意味深ですね。「波紋」という現象、クレーマーが増え、BlogやSNSで誰でも発信できる世の中、どんどん広がる状況が出来ています。僕はながいさんがそれに対してある種のアンチテーゼを出しているのかなと解釈していますが、どうでしょう?

ながい:
尖閣諸島、魚釣島、竹島などの領有権を巡る小競り合いのニュースを見ていて、結局は子供のケンカとレベルは一緒なんだなと誰もが思ったのではないでしょうか。「最初のきっかけはどのように生まれたんだろう?」とか「だんだん事が大きくなっていく雰囲気が怖いな」と感じた時にこの曲を書きました。

なるほど、四方さんが言われるようにネット上、諸々の波紋現象にもしっかりあてはまりますね。個人的な話ですが僕はすべてのSNSから、ほぼ離れました。今は知り合いとのダイレクトなやり取りに使うだけです。周りに不義理をしている感は多少ありますが、なくても全く大丈夫ですね。

 
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