神永東吾 韓国・光州出身。大学の演劇学科に在籍中、劇団四季の研修団に参加。2009年オーディション合格。『エクウス』で初舞台を踏み、『ジーザス・クライスト=スーパースター』ジーザス、ペテロ、アンサンブル、『ガンバの大冒険』シジン、『ミュージカル李香蘭』王玉林などを演じている。『エビータ』『はだかの王様』『ハムレット』にも出演。(C) Marino Matsushima
劇団創立60周年を記念して、豊かなレパートリーの中から厳選したナンバーに、劇団随一の名ダンサーでもある加藤敬二さんが斬新なアイディアで演出・振付をほどこし、見せてゆくショー『劇団四季ソング&ダンス60 感謝の花束』。『キャッツ』『オペラ座の怪人』等の海外ミュージカルはもちろん、『ジョン万次郎の夢』などのオリジナルミュージカルも含めた名曲の数々が、意表をついた趣向で次々に繰り出し、目を耳を楽しませます。
男性ボーカル枠3人のうち若手パートにキャスティングされ、『キャッツ』の「スキンブルシャンクス」や『リトル・マーメイド』の「アンダー・ザ・シー」等を清々しく歌いあげているのが、神永東吾さん。『ジーザス・クライスト=スーパースター』タイトルロールや『李香蘭』王玉林など、これまでシリアスな役どころが多かっただけに、その爽やかな好青年ぶりは観客にも強いインパクトを与えています。どんな方なのでしょうか。
『ソング&ダンス60』で名曲に新たな命を吹き込む
――『ソング&ダンス60 感謝の花束』東京凱旋公演、とても躍動感のある舞台ですが、ご自身の手応えはいかがですか?
『ソング&ダンス60感謝の花束』より「アンダー・ザ・シー」撮影:荒井健
――サングラスをかけて男性が一列になって歌う「キス・ザ・ガール」(『リトル・マーメイド』)もスタイリッシュですし、リードボーカルの神永さん以外の皆さんが打楽器に挑戦する「アンダー・ザ・シー」(同)も祝祭感溢れる素敵な演出ですが、シンプルながら意外性があって面白かったのが「迷いつつ」(『アイーダ』)でした。もともとはアイーダとラダメスの愛のデュエットですが、今回は神永さんが歌っていて、終盤に女性ではなく、男性(筆者の観た日は飯田達郎さん)の声が加わる。それまで、当然のように男女の愛のデュエットとして聴いていたのが、この瞬間に今回の舞台では違う意味合いが込められていることに気づかされます。
『ソング&ダンス60感謝の花束』より「迷いつつ」撮影:上原タカシ
『ソング&ダンス60感謝の花束』より「暴走族」撮影:上原タカシ
「面白いですよね。僕も歌いながら他の出演者と目が合うと、一瞬、ちょっと恥ずかしいですね」
――この演目で楽曲に触れたことで、改めて「参加したい」と思った作品はありますか?
『ソング&ダンス60感謝の花束』より「キス・ザ・ガール」撮影:上原タカシ
*次ページでは舞台を目指した意外なきっかけ、役者としての夢を話していただきました!