暑くて湿度の高い季節は、ノミやダニが一気に増え、活動が活発化します。猫は外に出していないからと安心しないで、ノミやダニが繁殖し始める前に予防策を講じてください。
キレイキレイは好きだけど、痒いのは苦手です
ネコノミ
犬や猫につくのは、ほとんどがネコノミです。ネコノミは茶褐色~濃い焦げ茶色で、体長は1mm~6mm程度、猫や犬の毛の間を移動しやすい平べったい身体で、後ろ脚の2本は前の4本に比べると非常に大きく発達しています。その強靱な後ろ脚で、体長の約60倍の距離、約100倍以上の高さまでジャンプすることができ、哺乳動物が出す二酸化炭素に反応して飛びつきます。ネコノミという名前ですが、猫だけでなく、犬や人、そのほかの哺乳類からも吸血します。ノミの夫婦という言葉があるように、メスはオスの数倍の大きさになります。ノミのライフサイクル
猫を吸血したノミは、猫の体表上で交配し1日に20~50個の卵を産みます。卵は楕円形で白っぽく半透明でツヤツヤしています。ノミの卵は、猫がいつもいる場所のまわりや、家具の隙間など薄暗くてホコリっぽいところに転がっていき、2~20日で幼虫になります。幼虫はゴミやノミの糞を食べ成長し、10~200日の間に3回脱皮を繰り返しさなぎになり、さなぎは約1週間で成虫になります。しかし、成長に適さない低温であったり、吸血できる哺乳類が周りにいないときは、1年以上、さなぎのままで適した環境を待つことができます。人や他の動物が近くに来ると、吐き出される二酸化炭素に反応し、一気に成虫になります。気温24~32度、湿度60~80%以上になるとノミは活発に活動し、ノミが快適とする環境下では2~3週間で繁殖ができるまで成長できます。猫が出入りできる空き家や物置には、ノミのさなぎが獲物を待ち構えているかも知れないので、ご注意下さい。
ノミをチェック
背骨からお尻にかけてや、シッポなど下半身を気にして、フガフガ噛んだり舐めたり、痒がっていたらノミがいないか、チェックしてみましょう。猫の毛並みに沿って細かい目のノミ取りクシで梳いたり、猫がいつも寝ている場所に粘着テープを当てて、黒い小さなブツブツがないか調べます。もし黒いブツブツがあったら、水で湿らせたテッシュの上に置いて、黒いブツブツが溶けて赤くにじむようでしたら、それはノミの糞です。ノミの糞のほとんどは吸血した血のかたまりなので水に溶けます。ノミの糞が発見されたら、ノミを直接確認できなくても、猫の身体には相当数のノミがついていて、そのまわりにはノミの卵やさなぎが無数にあるということです。
続いてノミは猫をこんなにも苦しめます