演劇・コンサート/演劇関連インタビュー

演劇cafe vol.7 麻実れいさんインタビュー!

演劇ガイド・上村由紀子が”今、会いたい舞台人”にインタビューする【演劇cafe】。 第7弾は2014年6月6日に日生劇場で開幕するデヴィッド・ルヴォー演出作品『昔の日々』にアンナ役でご出演の麻実れいさんです。14年振りとなるルヴォー氏とのお稽古の様子や共演者お二人の印象、そして大人の女性として素敵に年を重ねる秘訣を伺って来ました。女優オーラ満載のインタビュー、お見逃しなく!(6月9日舞台写真追記)

上村 由紀子

執筆者:上村 由紀子

演劇ガイド

イギリスの片田舎に暮らす一組の夫婦の元に妻の旧友・アンナが訪ねて来る。妻(ケイト)はアンナの事を「唯一の友達」だと夫(ディーリィ)に説明するのだが、20年振りに再会した筈の2人の会話はどこか噛み合わず、いつしか3人は不確かな記憶の波に飲み込まれて行く……。イギリスの劇作家 ハロルド・ピンターの戯曲を日本にもファンが多いデヴィッド・ルヴォー氏が演出する『昔の日々』。本作にアンナ役でご出演の麻実れいさんにお話を伺いました。(6月9日舞台写真追記)

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(撮影:演劇ガイド・上村由紀子)


――(麻実さんの髪型を見て)製作発表や宣伝のビジュアルではショートカットにされていましたよね。

麻実

そうなんです、実はあれはウイッグなの(笑顔)。今回の戯曲を読んだ時にアンナの印象がどこかボーイッシュだったのと、気分を変えたいという思いも込めてああいうビジュアルにしてみました。ただ稽古が進行してデヴィッド(ルヴォー氏)と話し合う内に彼のアンナに対するイメージも固まって来たみたいで、本番ではまた違うヘアスタイルで登場する事になりそうです。

――ショートヘアもとても素敵でした。今回の上演台本を読ませて頂くまでは、平穏な夫婦の元にアンナという侵入者が現れてその生活をかき乱す、という物語かとも思っていたのですが、そんな単純な構造では全くないのですね。

麻実

そう、全く単純な構造ではなく、1人の女性の人格が……さざ波のように表現されているというか……3人の不安定で不確かな記憶が交差して行く様が見事な戯曲だと思います。私たち3人の出演者も予め何も決めたりせず、稽古場に立ってお相手の台詞をただ受け取り、そこから感じ取った気持ちに正直になる……と、自然にピンターが書いた言葉が口から出てくる訳で……今回は特にそういう過程を丁寧に積み重ねる事が大切なのかと感じています。生き生きとした人間が描かれている戯曲ですので、絶対に(役を演じる上で)”嘘”は吐きたくないと思います。精神的にも肉体的にも勿論大変ではあるのですが、日々作品の世界に深く入って行く事がとても楽しいですね。

デヴィッド・ルヴォー氏との思いがけない「再会」
そして相手役を信じて舞台に立つという事

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(撮影:演劇ガイド・上村由紀子)

 
――今回14年振りにデヴィッド・ルヴォーさんと組まれる訳ですが、お稽古場では如何ですか?

麻実

お稽古場での彼からは以前と変わらず高度な要求があり……そして諦めない粘り強さも昔と同じです。外見的には少しおじさんになりましたけど(笑顔)。彼とはtptでずっと一緒にやってきた仲間で、もしかしたらもう一緒に作品を創る機会には恵まれないのかも、と思っていた時に今回のお話を頂けたのでとても嬉しいですね。

――ケイト役の若村麻由美さんとは昨年の『鉈切り丸』以来のご共演です。

麻実

 『鉈切り丸』では北条政子役の麻由美さんと対立する建礼門という役でご一緒しました。実は楽屋も一緒だったんですよ。彼女の方がしっかりしていてどこかお姉さんぽかったり。舞台上では対立していましたが、楽屋で過ごした姉妹のような関係性が今回の『昔の日々』でも生きていると思います。彼女もどんなボールを投げてもしっかり受け止めてくれる女優さんで、一緒にお稽古していて楽しいんです。

――ディーリィ役の堀部圭亮さんとは初共演ですよね。

麻実

舞台では初めてですね。今年の1月からオンエアされていた『隠蔽捜査』というドラマでナレーションを担当させて頂いていたのですが、その映像を観ていた時に堀部さんが出演なさっていて「うわあ、何て美しい顔の俳優さんだろう。」と強く印象に残っていたんです。とても素敵な方ですし、今回こういう形で共演させて頂く事になって嬉しいです。麻由美さん、堀部さんがこの作品に加わって下さったことが、『昔の日々』を豊かな舞台にする大きな原動力だと思っています。

――30代の谷賢一さんの翻訳はピンターの戯曲がとても自然な言葉で活かされている思いました。所謂翻訳劇の仰々しさがないと言うか…


麻実
谷さん!面白くて素敵な青年ですよね(笑顔)。実は彼とは今回かなり熱いディスカッションを重ねたんです。と言うのも、彼は翻訳家として参加し、私は役者としてそこにいる。戯曲の台詞を声に出して読んだ時に少しでも違和感があるとその箇所に付いて何度も話し合ったりFAXでやり取りをしたりもしましたね。彼は男性で私は女性……と、女性の言葉としてこれはどうかな、と思う台詞も最初はあったりして。そんな時も熱い意見の交換がありました。最終的にはデヴィッドに託そうという事になったのですが、こういう形で一緒に作品を創れたことは本当に良かったと思っています。谷さんにはとても感謝していますね。

次のページでは素敵な大人の女性になる為の”コツ”を伺います!

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