同じ時を生きた作家たちの人生から時代の風景を垣間見る
写真でも個性が出てます。オスカー・ワイルド
メリオンスクエアには、オスカーワイルドの紡いだ言葉も刻まれている
また同じコーナーで紹介されているのが、オスカー・ワイルドと同じ時代を生きた作家ジョージ・バーナード・ショー。彼はオスカー・ワイルドよりも50年近く長く生き、ノーベル文学賞を受賞しただけでなく、代表作である戯曲「ピグマリオン」は「マイフェアレディ」として映画化もされ、現代まで語り継がれているアイルランド文学のひとつといえるでしょう。
こんな風に、作家たちの生きた時代から作品の背景となった時代に想像してみたり、時に対照的なそれぞれの人生を垣間みれるのも面白いところだと思います。
アイルランドという国だからこそ生まれた文学
決して穏やかではなかったこの国の歩んだ道から生まれた文学も
たとえばケルト文学復興運動の中では、生粋のカトリック系国家主義者と英国系アイルランド人の地主など、異なる主義主張の人間をも結びつけた文学的な交流があったことも伝えられています。文学というものが媒介となり、歴史の史料を見るだけでは想像し得ないようなこのような出来事があったのが興味深いところです。
面白そうなキャラクターが伝わってくる?ブレンダン・べーハンの胸像
このような失われ行く言葉が存在するこの国で、アイルランド語と深い関わりを持つ作家として、アイルランド語でも作品を残したブレンダン・べーハンという作家が挙げられます。彼の作品とその人生もライターズミュージアムで紹介されています。アイルランド人らしくよく飲むことで有名で「ただ2つの機会に飲む。喉が渇いている時と、そうでない時だけ」という言葉を残し、ユニークな作家としても有名。アイルランド語を学んだのも収監された刑務所の中だったそうですよ。このように、日本ではあまりメジャーでなくても興味深い作家や作品との出会いも期待できるのはこのミュージアムならではでしょう。
ジェームス・ジョイスの家にあったというピアノ
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■Dublin Writers Museum
住所:18 Parnell Square, Dublin 1
開館時間:月~土10:00~17:00(最終入場16:15)、日・祝日11:00~17:00(最終入場16:15)
料金:大人7.5ユーロ、子ども4.7ユーロ