住宅購入の費用・税金/住宅購入費用・予算

中古マンション購入時の諸費用 目安金額と事例(2ページ目)

中古マンションの購入時の諸費用は、新築マンションの購入時の諸費用とは異なっており、新築住宅で予定していた購入時の諸費用よりも費用がかかり予算オーバーするケースもよくあります。そこで、今回は「中古マンション」について、購入時の諸費用にはどのような項目があるかまたいくら位かかるかについて解説します。

村元 正明

執筆者:村元 正明

住宅にまつわるお金ガイド


住宅ローンの諸費用

住宅ローンの諸費用は購入する物件が新築マンションでも、中古マンションでも変わりません。
「新築住宅ローンの諸費用」をご覧ください。

引越やその他の諸費用

住宅金融支援機構が発表した「住宅取得に係る消費実態調査(2012 年度)」によると、中古住宅購入者の1 世帯あたりの家具やカーテン、家電用品などの平均耐久消費財購入額は45.5万円、1 世帯当たりの平均引越費用は22.4万円となっています。

中古マンションのリフォーム費用

中古マンションを購入してリフォームを行う人も増えています。購入する物件の状態や希望するリフォームの内容によって違いがありますが、一般社団法人住宅リフォーム推進協議会の「平成24年度住宅リフォーム実例調査」によると、リフォーム費用は100 万円以下から1,000万円超まで幅広く分布していますが、中古マンションの平均金額は490.2 万円、中央値 380 万円となっています。主なリフォームの内容は、壁紙や床の張り替え、台所・トイレ・お風呂など住宅設備の変更、室内建具などとなっています。

それでは、事例をもとに諸費用を計算して、総額の目安について解説します。
事例をもとにして、実際にどのくらい諸費用がかかるのか、物件価格に対する諸費用の目安はいくら位になるのか解説します。

中古マンションの諸費用の参考例

実際は、不動産仲介会社からの提示される提案書などにより購入時の諸費用は確定するのですが、ここでは、目安となるおおよその金額について具体例をもとにして解説します。
(注:使用する金額等については実際の金額と異なる場合があります)

【購入する中古マンションの詳細】
専有部分の床面積70平米 区分所有の土地面積60平米 平成3年築
物件価格3500万円(土地価格1500万円 建物価格2000万円(消費税なし))
固定資産税評価額 土地1200万円 建物1000万円
購入年の土地の固定資産税と都市計画税の合計額 6万円

【借入をする住宅ローンの詳細】
借入金額3000万円
返済期間35年 適用金利2%(全期間固定金利) 元利均等返済・ボーナス返済なし
物件にかかる購入時の諸費用
売買契約書の印紙代 (契約書締結時に支払)
1万円

仲介手数料 (契約時に一部支払、物件代金決済時に残金全額支払)
物件価格3500万円×3%+3500万円×3%×消費税8%=113.4万円

住宅総合保険(火災保険) (物件代金決済時の1ヵ月前までに支払)
補償対象は建物(専有部分のみ)、35年一括支払いで10万円

固定資産税と都市計画税の清算金 (物件代金決済時に支払)
土地の固定資産税と都市計画税が合計で年間6万円、購入者の所有期間が200日の場合、清算金は6万円×200日/365日=3.3万円となります。 

登記費用 (物件代金決済時に支払)
土地の所有権移転に伴う登録免許税 1200万円×1.5%=18万円
建物の所有権移転に伴う登録免許税は1000万円×0.3%=3万円
司法書士への報酬額を10万円(税込)とすると合計額は31万円となります。

不動産所得税 (物件代金決済から数か月後に支払)
建物の不動産取得税は(1000万円-1000万円)×3%=0万円となります。
土地の不動産取得税は1200万円×1/2×3%=18万円、控除額は(1200万円÷60平米×1/2)×(70平米×2)×3%=42万円と4.5万円を比較して大きい金額を選択できるので土地の不動産取得税は0万円となります。

物件に関する諸費用の合計は159万円となります。

住宅ローンにかかる諸費用

(印紙代以外住宅ローン借入時=物件代金決済時に支払)

・住宅ローン契約書の印紙代 2万円
・事務手数料 3.24万円(消費税込)
・保証料 62万円
・抵当権設定費用 8万円
抵当権登録免許税3000万円×0.1%=3万円
司法書士への報酬費用等5万円(税込)
・提携ローン事務手数料 5.45万円(税込)

住宅ローンに関する諸費用の合計額は約81万円となります。

引越やその他の諸費用

住宅金融支援機構による「住宅取得に係る消費実態調査(2012 年度)」の中古住宅のデータをそのまま採用して、耐久消費財購入費用44.5万円と引越費用22.4万円との合計額で約67万円とします。

また、リフォーム費用として一般社団法人住宅リフォーム推進協議会の「平成24年度住宅リフォーム実例調査」の中古マンションの中央値である380 万円(税込)とします。

それでは、中古マンションの購入時の全諸費用はどのくらいか、また物件価格に対する諸費用はいくら位を目安にしたらよいか解説します。

中古マンションの購入時の諸費用の目安

事例の諸費用を表にまとめると次のようになります。
表

中古マンションの購入時の諸費用事例

 今回の事例では、物件にかかる諸費用が159万円(物件価格対比4.5%)、住宅ローンにかかる諸費用が81万円(物件価格対比2.3%)となります。住宅ローンの諸費用は借入金額で変動しますが、引越代約22.4万円(物件価格対比0.6%)まで考慮すると、中古マンションの諸費用は最低限で物件価格対比7.4%がひとつの目安といえるでしょう。

これに耐久消費財購入費用44.5万円(物件価格対比1.3%)を加えると最大で物件価格の8.7%が目安となります。

中古マンションの購入時の諸費用の目安:7.4~8.7%


これにリフォーム費用380万円(物件価格対比10.9%)まで加算すると
中古マンションの購入時の諸費用の目安(リフォームあり):18.3~19.6%

中古マンションの物件価格をみた場合、住宅ローンの借入金額と耐久消費財購入費用により諸費用の金額は大きく変動はしますが、最低で7.4%をかけた金額、最大で8.7%を物件価格にかけた金額を諸費用として資金計画を立てておくとよいでしょう。

購入する物件の状態によりますが、リフォーム費用まで考慮すると、最低で18.3%、最大で19.6%を物件価格にかけた金額が諸費用の目安となります。


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