少年少女のきらめきをコミカルに見せて大ヒット!
『ウォーターボーイズ』(2001年度作品)
部員がひとりだった水泳部に美人先生がやってきたことをきっかけに、男子部員が集まり、みんなでシンクロナイズドスイミングをやることに。部員たちが様々な障害を乗り越えて、一致団結してシンクロショーを披露するまでの物語。
実在する男子シンクロの世界をベースに矢口流に作り上げたのが『ウォーターボーイズ』です。矢口監督の映画スタイルが確立されたのがこの映画と言う印象があります。主人公の成長物語はスタンダードですが、どんなに苦悩しても、その苦しみを笑いに転化させてしまうところが矢口作品の魅力。この映画も然りです。
最後にはしっかりシンクロシーンを披露。スカっとするし、カタルシスも感じさせてくれるのが嬉しい! イケメン俳優の玉木宏は、この映画に出演したときはまだ無名。その彼が全編アフロヘアで登場し、大いに笑いをとっています。なかなか見られませんよ~、こんな玉木宏。そういう意味でも貴重な映画かもしれません。
監督:矢口史靖
出演:妻夫木聡、玉木宏、三浦哲郎、近藤公園、金子貴俊、平山綾、眞鍋かをり、竹中直人、杉本哲太ほか
『スウィングガールズ』(2004年度作品)
落ちこぼれ高校生たちが、ブラスバンドを結成し、ビッグバンドジャズを披露するために猛特訓するという青春映画。
物語のベースにある成長ストーリーは『ウォーターボーイズ』のパターンだけど、今度の主役は女子で、彼女たちが挑戦するのはスウィングジャズ!取り上げる題材が、いつも「そうきたか!」とワクワクさせてくれるのが矢口監督のニクイところですね。
また主人公が女子軍団というのがキモ。『ウォーターボーイズ』の男子軍団はわりと素直だったけど『スウィングガールズ』の女子軍団は一筋縄ではいきませんからね。同年代でも男子と女子とは違う、正直女子の方が手強く、かつ面倒くさいというのが映画を見るとよくわかります。だから目的を達成するまでの紆余曲折はこちらの方がスリリングかもしれません。
演奏シーンはキャストが猛特訓し、吹き替えなしで披露。それだけにラストはちょっとこみあげてくるものがありますよ。
監督:矢口史靖
出演:上野樹里、貫地谷しほり、本仮屋ユイカ、豊島由佳梨、平岡祐太、竹中直人、白石美帆、小日向文世、渡辺えり子、谷啓ほか
※ほかには快適な空の旅のはずがハプニングで大騒動となる『ハッピーフライト』、偽ロボットとエンジニアたちが巻き起こす愉快痛快なエピソードが満載の『ロボジー』もあります。いずれもドタバタコメディ。そう、矢口作品にはもれなく笑いがついてくるってわけです。
今後は、矢口監督が描く、サスペンスやアクション映画も見たいですねえ(願望!)。最近は3年に1本、最新映画をリリースしている矢口監督ゆえに次回は2017年? それまでにここで紹介した矢口作品を制覇しておいてくださいね。