最新作『WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~』は、三浦しをんの原作を映画化。しかし、そこに映し出されているのは紛れもなく矢口ワールド! 原作があろうと、その世界を自分の世界へと引き寄せてしまう力はさすが実力派の人気監督です。
では、その最新作とともに、人気の矢口史靖作品をご紹介しましょう!
矢口監督の最新作のテーマは林業!
『WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~』(2014年度作品)大学受験に失敗したチャランポランな青年・勇気(染谷将太)が、パンフレットに掲載された美女につられて林業研修プログラムに参加したことをきっかけに、林業に従事する男たち(伊藤英明)に鍛えられ、気が付けば「やればできるじゃん」というレベルに成長していく……という物語。
染谷将太は『ヒミズ』など、屈折した役が多かったけど、今回は思い切り振り切ったコメディ演技を見せているのが嬉しい! また『海猿』のときとは違う男くさい山猿な魅力を振りまいている伊藤英明もドンピシャのキャスティングです。矢口監督作の特徴のひとつがキャスティングの巧さ。適材適所の配役が映画の力になっています。今回もマキタスポーツとか本当に林業に従事しているオジサンみたいですよ。
『WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~』もダメダメな人の成長を描くという矢口映画のこれまでのライン上の作品だけど、なぜか「また?」という気持ちにはならない。それは矢口監督がキャラクターとその背景の物語をしっかり取材して練り上げているからでしょう。雰囲気で片づけない、ディテールで嘘をつかないのが矢口監督作の魅力。それが今回もばっちり活かされています。
2014年5月10日より全国東宝系にてロードショー
監督:矢口史靖
出演:染谷将太、長澤まさみ、伊藤英明、優香、西田尚美、マキタスポーツほか
(C)2014「WOOD JOB!~神去なあなあ日常~」製作委員会
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