社会保険

これで頑張れる再就職 新設「就業促進定着手当」解説(2ページ目)

ハローワークから早期再就職者に支給される「再就職手当」。この手当に追加分手当が支給されるようになりました(平成26年4月1日~)。再就職先の賃金が前職の賃金よりも低下した場合に、前記の残日数の一部を財源として、低下した賃金を補てんしてくれる手当(正式名称「就業促進定着手当」)が始まったのです。本記事で、実務対応を確認しましょう。

小岩 和男

執筆者:小岩 和男

労務管理ガイド


支給額には上限があります

申請手続きには企業で用意する書類があります

申請手続きには企業で用意する書類があります

上限額= 基本手当日額(※1) × 支給残日数 × 40%

※1 基本手当日額の上限額(「再就職手当」と同額)
  • 離職時の年齢が60歳未満の人 5,840円
  • 離職時の年齢が60歳以上65歳未満の人 4,729円
(基本手当の上限額は、毎年8月1日に改訂されます)

本人及び企業が行う申請手続きは?

再就職後おおむね5か月後に、ハローワークから「就業促進定着手当」支給申請書が、再就職者の住所に郵送されます。期限までに必要書類を添えて再就職者自身が申請手続を行うことになります。

1. 申請期間
再就職した日から6か月経過した日の翌日から2か月間
特別な事情があると認められない限り、期限を過ぎての申請は受け付けられないので失念しないようにしてください。

2. 申請先
「再就職手当」の支給申請を行ったハローワーク(郵送での申請も可能)

3. 申請書類
  • (1) 就業促進定着手当支給申請書(郵送されたもの)
  • (2) 雇用保険受給資格者証(再就職者自身が保有しているもの)
  • (3) 就職日から6か月間の出勤簿の写し(事業主から原本証明を受けたもの)
  • (4) 就職日から6か月間の給与明細又は賃金台帳の写し(事業主から原本証明を受けたもの)
上記(3)・(4)は、企業側で用意する書類です。就職日が賃金締め切り日の翌日でない場合は、再就職後最初の賃金締め切り日後の6ヶ月分となります。

その他、賃金低下の差額補てん「高年齢雇用継続給付」も併せて確認しておこう!

賃金低下の差額補てんとして、雇用保険から「高年齢雇用継続給付」制度もあります。60歳以降の賃金低下という条件はありますが、企業の定年後再雇用の賃金設計で大変よく活用されている給付金です。皆様の企業でも活用されているのではないでしょうか。

雇用保険の被保険者であった期間が5年以上ある60歳以上65歳未満の一般被保険者が、原則として60歳以降の賃金が60歳時点に比べて、75%未満に低下した状態で働き続ける場合に支給されます。

定年後再雇用に活用できる本制度は、別記事で解説をさせていただく予定です。制度の概要はこちらから確認ください。

<参考資料>就業促進定着手当リーフレット(厚生労働省)
<参考記事>離職理由で大きく変わる失業給付の基礎知識
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