ニオイケアが今後のキーワード
「身だしなみ」の中でも注目を集めたのが、「ニオイ」に関する項目でした。全体の約60%がニオイを「とても気になる/気になる」と回答しています。各年代別に見てみると若い世代から段々と高まり、40代でピークになっています。ちょうど加齢臭などの発生年代とも重なるおもしろい結果です。マンダムが先頃発表した「ミドル脂臭」など、ポスト加齢臭と呼ばれる体臭の元が話題になっています。それに合わせてマンダムより「ルシード」、ロート製薬より「デ・オウ」など、男性の体臭に着目したアイテムも続々と発売され、これらが男性化粧品市場の牽引役となっています。
デリケートなニオイ問題
これほど注目を集めているニオイ問題。今回のアンケートの結果、3人に1人が「会社の同僚」のニオイが気になっていると回答していますが、その大半が「ニオイの指摘はできない」とも回答しているところに、私は注目しました。指摘できない理由としては「関係を壊したくない(対上司)」「言うと関係がこじれそうだから(対上司)」というもの。これはある程度予測範囲内でしたが、意外だったのは、親しいはずであろう家族、友人、同僚に対してもなお、3割しか指摘できないという現実です。
これではたとえ悪臭をふりまいていたとしても、「知らぬは本人ばかりなり」という状況。ということは、親しい仲でさえもはばかられるニオイ問題がいかにデリケートであるか、という象徴ではないでしょうか。
しかも、他人の体臭に気づいたとき、「高齢だから仕方ない」「体質だから仕方ない」という擁護派の意見もありましたが、大半の人が「だらしなさそう」「不潔」「あまり仕事ができなそう」などネガティブに解釈しています。
これからは他人からの指摘で気づくのではなく、自分からニオイをさせないように努力をすることがより一層、求められるわけです。
また、その辺りの感覚の違いで新たな世代間格差が出ています。それは、20代など若い層は「制汗剤」でニオイの元が出ないように予防に努め、一方で40代以降ではとりあえず出てきた汗や皮脂にタオルで対処するというアプローチの違い。この違いは、今後の課題となってきそうです。