食育/安全・安心な食品の選び方

親として学びたい!食物アレルギーの食品表示(2ページ目)

食物アレルギーについては、親御さんが正しい知識をもって子供たちのために食品を選ぶことが何より大切です。家族みんなが健康的で安心できる楽しい食生活を目指すためにも、親として食品表示を学び、きちんと確認することが必要です。

浜田 峰子

執筆者:浜田 峰子

食育ガイド

気をつけて!見落としがちなアレルギー表示

■個別表示と一括表示の違い
表示の違いに注意

表示の違いに注意

食品表示のアレルギー物質の表示方法には、原材料ひとつひとつの後にアレルギー物質を表示する「個別表示」と、原材料名欄にまとめて表示する「一括表示」があります(原材料名は重量の多い順に表示されます)。個別表示の場合には、どの原材料に何のアレルギー物質が含まれているのか確認することができますが、一括表示の場合には、どの原材料に、何のアレルギー物質が含まれているのかが、わかりません。

■安心するにはまだ早い!省略されているものも
アレルギー食品が省略されていることも

アレルギー食品が省略されていることも

個別表示でも、一度記載したアレルギー物質が他の原材料にも含まれている場合、二度目以降の記載は省略が認められています。表示が省略された場合には、アレルギー物質が含まれている原材料が複数あっても、確認することができませんから注意が必要です。

■よく見て!添加物にもアレルギー物質が含まれている
食品の形状を保ったり食感を良くするために加えられる結着剤には、リン酸塩やカゼインナトリウム(乳由来)、卵、ゼラチンなどが使われています。

■表示義務がないものもある
アレルギー物質が含まれることがわかる名称が原材料として記載されている場合は、あらためてアレルギー物質を含む表示はありません。店頭で量り売りされるそうざい、バラ売りのパン、ファストフード、注文を受けてから作る弁当や容器包装の表示面積が30cm2以下のものには表示義務はありません。

■製造過程で混入してしまうものもある
食品を製造する際に、原材料としては使用していないにもかかわらず、同じ工場内で使っているアレルギー物質が、加工食品に混入(コンタミネーションと言います)してしまう場合があります。

このように、アレルギー物質を見落としがちなケースも少なくありません。口にしてしまってからでは遅い事もありますから、各食品メーカーの相談窓口で加工食品の原材料を聞いてから購入するなどしたほうが安心です。

食物アレルギーと子供の栄養

独立行政法人環境再生保全機構によりますと、アレルギー症状が出ることを恐れるあまり、本当は食べられる食品まで取り除いてしまって、子供の成長に必要な栄養まで十分にとれなくなってしまうケースも出てきているそうです。

子供の事を思って、「念のため」「心配だから」「とりあえず」と自己判断で、本来食べられる食品まで取り除いて成長期に必要な栄養が不足してしまっては、本末転倒です。アレルギーを専門とする主治医や栄養士などとよく相談しながら、食べられる食品を見極めることが大切です。

【参考引用文献】
※独立行政法人 環境再生保全機構 医療トピックス 食物アレルギーのための知っておきたい食品表示の見方


食物アレルギーについては、親御さんが正しい知識をもって子供たちのために食品を選ぶことが何より大切です。そのためにも、親として食品表示を学び、きちんと確認することが必要です。家族みんなが健康的で安心できる楽しい食生活を目指したいですね。
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