『トイレにいっていいですか』と言えるかな?
新1年生のみんな、授業中にトイレに行きたくなったらどうする!? ワクワクドキドキの気持ちをたくさん抱えて入学した小学1年生は、幼稚園や保育園の頃とは違った「授業」が始まり、しばらくは緊張の糸が張りつめています。トイレに行きたい気持ちを伝えることができず、授業中におもらししてしまう子がいることもあります。絵本『トイレにいっていいですか』は、自分の意志を思い切って先生に伝えた男の子の前に、愉快な応援団が登場するお話。入学前だけでなく、新しいこと続きで緊張したり疲れたりしている入学後のお子さんにもおすすめです。
トイレがきらい、そのわけは?
小学1年生の「オムくん」は、トイレがきらいです。休み時間にトイレに行くと、上級生たちがドヤドヤと入ってきたり、意地悪な子に後回しにされたりするからです。順番を抜かすのはずるい、と言うことができないオムくん。今日もそんなことがあって、次の国語の授業中に我慢の限界に達し、勇気を振り絞って先生に「トイレにいっていいですか」。みんなは大笑いです。学校のトイレにまつわることではいやな思いばかり。ああ、どうかオムくんがますます学校のトイレを嫌いにならないといいのですが……。1人でトイレに向かう廊下に、応援団登場!
教室を出て1人で廊下を歩いてトイレに向かうオムくんが進む先の教室から、次々に愉快な応援団が出てきます。それは何と大小さまざまな動物たち。動物たちはオムくんを楽しませながら一緒にトイレに行っただけでなく、とても大切なことをオムくんに気づかせてくれました。思い切って伝えよう、そしてもし失敗しても大丈夫
幼稚園や保育園では、「先生、トイレ!」と気軽に言えたことでも、授業という枠の中では言い出すのはかなり勇気のいることです。そしてオムくんのようにせっかく休み時間にトイレに行ったのにもかかわらず、雰囲気に押されて用を足せずにいる子も。これは1年生に限ったことではなく、低学年のうちはありがちなこと。新1年生の子が教室でおもらしをしてしまうことは先生にとっては驚くことではなく、本人の落ち込みほど周りはの子どもたちは大事にとらえていないこともよくあります。今トイレに行っておいたほうがよいのか加減がつかみきれずにいる子も、成長と共にきちんとつかめるようになってくるようです。愉快な応援団たちのおかげで、無事、1人でトイレに行ってきたオムくんは、次の休み時間から友だちを誘ってトイレに行きました。みんなで声をかけ合えば、トイレが苦手な子も減るかもしれませんね。少しお兄さんになったように見えるラストページのオムくんの笑顔です。