ひとつは訪れたい、アイルランドの世界遺産
奥に見えるのが世界遺産「スケリッグ・マイケル」。写真提供:アイルランド観光庁
どの国に旅行に行くにも、せっかくその国を訪れるのであれば、ちょっと立ち寄ってみたいと思う世界遺産。アイルランド島にも、6世紀に建てられた修道院が残っている岩の孤島「スケリッグ・マイケル」、ニューグレンジを含む先史時代の数々の遺跡である「ボイン渓谷の遺跡群」、巨人のフィン・マクールの伝説が残る六角系の石や石柱で埋め尽くされた海岸線「ジャイアンツコーズウェイ」の3つがあります。
高度な文化を感じさせるニューグレンジの内部。写真提供:アイルランド観光庁
首都のダブリンからほど近いニューグレンジと北アイルランドのジャイアンツコーズウェイは比較的アクセスしやすく、限られた日程の旅行でも足を伸ばしやすいのが特徴。その点、ケリー州の埠頭から船で行くスケリッグ・マイケルは、ケリー周遊路周辺のインフォメーションセンターや宿でツアーの申し込みができるものの、島に渡ることのできる船の数も限られているうえに、夏期の天候の良い日でなければ島に渡ることはできないので、行けるかどうかは運次第の部分があります。ただし、ケリー州はとにかく自然が美しいところなので、車でケリー周遊路などをまわるのもおすすめです。行ければスケリッグ・マイケル、行けなければそのほかのアクティビティを楽しむ、という柔軟性のあるプランを立てておくのがおすすめです。
アイルランド島内にあるニューグレンジ(ボイン渓谷の遺跡群)やジャイアンツコーズウェイは、周辺にも見どころが多くあるのも特筆すべきポイント。それではアイルランド島の世界遺産の中から特にアクセスしやすいニューグレンジとジャイアンツコーズウェイの見どころをご紹介いたします。
ダブリンからも気軽に行けるニューグレンジ
アクセスしやすく人気の世界遺産「ニューグレンジ」。写真提供:アイルランド観光庁
ダブリンのあるレンスター地方に位置するボイン川付近には小さいながら考古学的に重要なスポットが点在することで有名。あたりには大小40の古墳がありその中心にあるのがニューグレンジです。ヨーロッパに残る新石器時代の遺跡の中でもそのつくりはかなり精巧で、大きな石の柱を中心に組み立てられた遺跡内部は、雨水の一滴もしみ込まないほど。当時すでに高い技術と文化が根付いていたことがうかがえます。さらにそれを裏付けるのが古墳の通路部分で、一年でもっとも日が短くなる冬至の日にだけ、太陽の光が墓室までまっすぐ差し込むように設計されているのです。このことから、天文学にも造詣が深かったということがわかります。
何もないのに感動する人が多い「タラの丘」
このニューグレンジを含む世界遺産「ボイン川の遺跡群」はダブリンからバスで1時間半ほど。ダブリンからはデイトリップ行けるツアーがたくさん出ているので、こちらをぜひ利用してみてはいかがでしょう。ニューグレンジは後にケルトの文化にも影響を与えたといわれてるのですが、そのケルトの都だったといわれるタラの丘とセットになったツアーもあり、こちらもおすすめです。