Santra & Kristo / Сантра и Кристо
松見:まずはこちら、1999年よりソロシンガーとして活動しているSantra嬢とラッパーのKristoによるR&Bデュオです。日本で言うところのm-flo辺りにも通ずるポップネスを持ち合わせています。
Тръгвай си (Go Away) (YouTube)
ガイド:
かなりアメリカよりのR&Bがこんなブルガリアから生まれているのは、面白い現象ですね。
松見:
Santra & Kristoとしては2005年~2010年にかけてシングルをいくつかリリースしていたようですが、現在Santra嬢は再びソロに戻り活動を続けているようです。
Късно За Романтика (Late For Romance) (YouTube)
Duet Riton / Дует Ритон
松見:お次はブルガリア国立音楽院出身のEkaterina MihailovaとZdravko Zheliazkov(現在は夫婦)によって1975年に結成されたベテランデュオ。彼らも辺境ポップに部類されると思うのですが、割とラテンチックな楽曲が目立ちますね。
Как си, амиго? (アミーゴ、調子はどう?) (YouTube)
Пътят към твоето сърце (あなたの心へ続く道) (YouTube)
ガイド:
なにも解説がなければ、南米のユニットにしか聴こえませんね。意外とスラブ圏というのは、ラテンに対する憧憬のようなものがあるようです。 また、熟女オーラが出ているEkaterina姐さんは見事、PLAYBOY誌の表紙も飾っています。
South Wind / Южен Вятър
松見:ちょっと個人的に気になる男女デュオを発見しました。ブルガリア南西部に位置する人口6万人弱の町Petrich(ペトリチ)出身のCyrilとVillasのKotrulevi兄妹(姉弟?)によるЮжен Вятър(South Wind)。いわゆるChalga(チャルガ)と呼ばれるブルガリアの大衆音楽のジャンルであるポップ・フォークの路線を1996年のデビュー以降ずっと一筋で続けている珍しいデュオです。日本の演歌にも通ずるソウルさえ感じます。 そのほか彼らは7/8拍子の「Войник отивам」など、変拍子の楽曲をいくつか発表しています。ブルガリアの民謡や民族舞踊で使われる音楽には独特の拍子を持ったものが多く、隣国ではギリシャのKalamatianos(カラマティアノス)やZeimbekikos(ゼイベキコス)、トルコのロマ音楽などにも見られ、非常に興味深いです。チャルガ自体も旧ユーゴ圏を含むバルカン半島の周囲の国々からの影響を多分に受けており、ヨーロッパ音楽の関係性を垣間見る事ができる重要なデュオであると言えます。
Ти ще дойдеш (きっとあなたは来る) (YouTube)
ガイド:
一応、「エレクトロ」という枠を設けていますが、僕の個人的な趣向として、または松見さんとの接点に「辺境ポップ」というのがありますから、寛大にやっていきましょう(笑)。しかし、日本ではないどこかの辺境で歌われている懐かしい演歌としか言いようがない音楽ですね。松見さんが言われたようにブルガリアを始めとしたバルカンミュージックは、辺境ポップとしてさらに研究していく価値があるのでは…と考えています。