走りはメルセデスとBMWの“いいとこ取り”
エレガンスには各種安全装備も充実。前方衝突の危険を知らせる前方衝突事前警告機能や、衝突の可能性があるとシートを振動させて警告するセーフティ・アラート・ドライバーシートを採用。車線逸脱警告機能やブレーキアシストも備わる
いつもの箱根のワインディングロードを駆け上ってみたわけだけれども、そのハンドリングアジリティにおいてBMWに優るとも劣らず、ライドフィールの安定感ではメルセデスだってたじろぐ。5m近いサイズをまるで感じさせず、すいすいと難しいコーナーもクリアしていく。
最近のドイツ車が“しっとり方向”の味付けになっているから、伝統的なドイツ車テイストがお好みという方にとっては、むしろドイツ車よりも今、オススメの乗り味だ。
もっとも、逆に、「それで本当にいいの? だったらドイツ車でいいんじゃない? アメ車らしさは要らないの?」、と問われれば、答えに窮するけれども。
そして、2リッターターボエンジンの瞬発力にも目を見張った。低回転域から右足の裏にしっかりと力を感じることができ、そのまま踏み込めば、2リッターエンジンとは思えぬ力感で速度にのせてゆく。クラス最強の直4ターボだろう。
開発陣によると、サルーンを作るにあたって、レクサスやインフィニティの同クラス車を比較検討することはなかったらしい。想定したライバルは、あくまでもドイツプレミアム勢。なるほど、走りの完成度ではGSやフーガを上回っていた。どころか、ドイツプレミアム勢にとっても脅威の総合パフォーマンスを得るに至ったと思う。
トヨタやニッサンのセダンより見かけることが多くなったドイツプレミアム勢にはもう飽き飽き。そういう人にはうってつけの新型サルーンである。