カナダ/カナダの観光・見どころ

カナダ極北の山岳鉄道!ホワイトパス&ユーコンルート

19世紀終わりに起こったゴールドラッシュ。これはユーコン準州北部で金が発見され、一攫千金を目指す人々がかの地を目指したもの。そのユーコン北部へのルートの難所に通された鉄道が、このホワイトパス&ユーコン鉄道です。現在は山間を縫って走る絶景車窓が人気の山岳鉄道として、夏の間のみ運行。その列車の旅をご紹介します。

執筆者:下村 猛

ゴールドラッシュの難所を越える山岳列車! ホワイトパス・ユーコンルート鉄道

ゴールドラッシュの時代を髣髴させるレトロ車両の列車 (C) CTC

ゴールドラッシュの時代を髣髴させるレトロ車両の列車 (C) CTC

19世紀終わりに起こったゴールドラッシュ。これはユーコン準州北部で発見された金を求めて、一攫千金を夢見た人がどっと押し寄せた時代のこと。この人たちは、船でアラスカ州のスキャグウェイという港町にやってきて、そこから自力で峠を越え、ユーコン北部の町、ドーソンシティを目指したそうです。その最大の難所となったのが、ホワイトパスと呼ばれる峠。この鉄道は、その峠の輸送を効率的にすべく、建設されたものです。

列車が開通したころにはゴールドラッシュは終わっていましたが、その後も人と物の輸送を活躍するも、やがて需要が低下し、廃線に。しかし、難所と呼ばれていた場所を通るだけあって、その車窓は素晴らしく、クルーズ船でアラスカを訪れる観光客も増えたこともあって、観光列車として見事に復活。

夏季は毎日たくさんのお客さんを乗せて走っている人気の観光列車。そんな、魅力たっぷりの山岳鉄道、ホワイトパス・ユーコンルートをご紹介します。

列車のルート、運行期間、所要時間

山間を縫うように走る列車 (C) Government Yukon

山間を縫うように走る列車 (C) Government Yukon

地図上の青い線が鉄道のルート(クリックで拡大)

地図上の青い線が鉄道のルート(クリックで拡大)

列車はユーコン準州のカークロスと、アメリカ・アラスカ州のスキャグウェイの間、約110kmの区間で運行。アラスカとユーコンの観光需要の増加を受けて運行をスタートした鉄道なので、シーズンは5月下旬から9月上旬の観光シーズンのみ。

各ポイントの位置関係は、右の地図の通りですが、ユーコン準州の玄関口ホワイトホースからカークロスへは車で1時間少し。そして、スキャグウェイは国境を越え、車で3時間半ほど走った海沿いの町です。

列車の乗り方は自由自在。スキャグウェイとカークロスの往復または片道列車を始め、途中駅のフレイザーへの往復列車、国境にある峠、ホワイトパスへの往復列車など様々。ホワイトホースからバスで出発し、片道区間のみ列車に乗るツアーもあるので、自分の足がなくともて、この列車の旅を楽しむことはできますので、ご安心を!

カークロス、スキャグウェイいずれからでも列車には乗車できますが、やはり、ゴールドラッシュの際に峠を自力で越えて行った人たちに敬意を表し、スキャグウェイから乗車したいところ。また、海沿いの町から徐々に標高を上げて、峠に上っていくほうが、より車窓が楽しめます。

 

たくさんのお土産物屋が立ち並ぶスキャグウェイ

たくさんのお土産物屋が立ち並ぶスキャグウェイ

海沿いの町スキャグウェイは、観光シーズンには豪華客船が毎日入港し、観光客で賑わいます。この町からレトロタイプの客車に乗り込み、車窓に展開するダイナミックなアラスカとユーコンの山深い谷の風景を満喫。その険しい山並みの風景から、開拓時代の苦難の連続が容易に想像できます。

一番短いホワイトパスへの往復コースでも所要3~3.5時間。ホワイトホースからスキャグウェイへの移動を考えると、丸1日の行程となります。

<DATA>
White Pass & Yukon Route Railroad
運行期間:5月下旬から9月上旬
所要時間:コースによって、違いあり。基本コースで3~3.5時間
料金:コースによって、違いあり。基本コースのホワイトパス往復コースで、大人119米ドル、子供59.50米ドル。他にも、ホワイトホースから片道バスコースなど、多彩なコースを設定
注意事項:乗車に際しては、カナダ・ユーコン準州からアメリカ・アラスカ州へと国境を越えるので、パスポートが必須

途中にも見逃せないポイントが!

その湖水の色から、その名もズバリ、エメラルドレイク (C) CTC

その湖水の色から、その名もズバリ、エメラルドレイク (C) CTC

ホワイトホース側の発着点であるカークロス近辺には、ぜひ立ち寄りたいポイントがいくつかあります。

■エメラルドレイク
面積は2.6平方kmと、確かにコンパクトサイズ

面積は2.6平方kmと、確かにコンパクトサイズの「砂漠」

上の写真の湖で、カークロスの手前にあります。その湖の色を見たら、車を止めずにはいられません。

■カークロス砂漠
こちらもカークロスの町のそばにある、自称「世界一小さな砂漠」。分類上は、砂漠ではなく、砂丘になるそうですが……。こんな極北の地に砂漠があるだけでも、おもしろいので、話のタネにぜひお立ち寄りを。

■レイクベネット
カークロスを過ぎてから見えてくる大きな湖。こちらもグリーンのきれいな湖です。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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