『アメイジング・スパイダーマン2』とリブート映画評

最近の映画界はリメイク&リブートが大流行。リブート映画というのは同じ題材の作品でスタッフやキャストを一新、仕切り直して制作された作品のことでシリーズ化を視野に入れたものが多いようです。特にヒーロー映画にそれが現れていますね。

GW映画の大本命『アメイジング・スパイダーマン2』もリブート映画。そこで今回は『アメイジング・スパイダーマン』を中心に、夏以降公開されるリメイク・リブート映画『ゴジラ』『ミュータント・タートルズ』などいくつか取り上げてみました。まずは『アメイジング・スパイダーマン』から。

主人公のダサさが魅力？『スパイダーマン』シリーズ

サム・ライミ監督による『スパイダーマン』シリーズは映画界で大成功を収めました。シリーズは3作品まで続き、サム・ライミ監督は『スパイダーマン4』を準備していたそうですが、それは実現しないまま『アメイジング・スパイダーマン』がリブート作品として誕生したわけです。

サム・ライミ版『スパイダーマン』シリーズは、冴えない青年ピーター（トビー・マグワイア）が、大学の研究所でスーパースパイダーとなった蜘蛛に刺されたことから彼の体に異変が起こり……という物語。ずっと好きな女の子に告白できない、頭はいいけどドンくさくてイケてない理系男子のピーターが突然ヒーローになるという展開がよいですね。

ピーターとメリー・ジェーンの恋愛もしっかり描かれていてラブストーリー色も濃い一方で、ヒーロー物として物足りないという人もいるようですが、オタク的なヒーローにトビー・マグワイアはピッタリ。普通の人が特殊能力を得てヒーローになっていく葛藤や孤独も丁寧に描かれている点が自分は好きですね。
続けて製作された『スパイダーマン2』、『スパイダーマン3』は強敵とのバトルが物語の中心にありますが、恋人に振り回されがちのピーターの姿は、街を凶悪な敵から守るスーパーヒーローが、女の子ひとりコントロールできずにグズグズしているところが情けなくて逆にかわいい。

敵も身近なところにいるなどスケールの大きさは感じないのだけれど、その狭い世界観がこのシリーズの持ち味かなと思ったりして。とはいえ、アクションシーンはスリリングだし、エンタティメントの大作の中にちょっとB級っぽさが見え隠れしているところがチャーミングなヒーロー映画です。

（Ｃ） ２００７ Ｃｏｌｕｍｂｉａ Ｐｉｃｔｕｒｅｓ Ｉｎｄｕｓｔｒｉｅｓ，Ｉｎｃ．Ａｌｌ Ｒｉｇｈｔｓ Ｒｅｓｅｒｖｅｄ．ＭＡＲＶＥＬ，ａｎｄ ａｌｌ Ｍａｒｖｅｌ ｃｈａｒａｃｔｅｒｓ ｉｎｃｌｕｄｉｎｇ ｔｈｅ Ｓｐｉｄｅｒ－Ｍａｎ，Ｓａｎｄｍａｎ ａｎｄ Ｖｅｎｏｍ Ｃｈａｒａｃｔｅｒｓ ＴＭ ＆ （Ｃ） ２００７ Ｍａｒｖｅｌ Ｃｈａｒａｃｔｅｒｓ，Ｉｎｃ．Ａｌｌ Ｒｉｇｈｔｓ Ｒｅｓｅｒｖｅｄ．


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