1. 遅刻する
試験開始時間に間に合わないという意味ではありません。それは言語道断です。「試験開始の20分前くらいに到着するようでは、宅建本試験で最大限の力を発揮することが難しい」という意味です。国家資格試験は、想像以上に厳格に行います。試験20分前にはテキスト類はしまうように言われ、携帯電話も電源を切り、あらかじめ用意された封筒に入れるように指示されます。
そこから試験開始の5分前くらいまで重く張りつめた時間が試験会場を支配し、試験監督員が受験票を確認しながら試験問題とマークシートを配布する紙がすれる音が聞こえてくる……。
このような場所に時間ギリギリに入ると、その場の雰囲気に飲み込まれ、試験開始後も緊張が続き、ケアレスミスの連続となる可能性があります。
【解決方法】
1時間前には試験会場に到着する
私自身は方向音痴だったりするので、3時間前くらいには試験会場に行くようにしています。
まずは試験会場に行き、自分が受験する教室の場所を確認しましょう。その上で付近の喫茶店などに入り、コーヒーでも飲みながらテキストとノートを開きましょう。
試験当日は、あとは試験を受けるだけと思われるかもしれません。しかし、人間の記憶は一日で約半分は忘れてしまうものなので、試験当日も大切な学習時間だと認識して下さい。試験当日にどのような学習をすべきか、それは次に説明します。
2. 余裕をみせてテキストを持参しない・ギリギリまで勉強しない
試験会場では手ぶらで涼しい顔しながら喫煙所でタバコをふかしている方をちらほら見かけます。もちろん、試験会場で余裕のある態度をとってはいけないわけではありません。試験対策の学習を十二分に行い、どんな問題が出されても合格できるだけの実力があれば、それでもよいかもしれません。しかし、絶対に合格できるという自信がない方の場合(ほとんどの方がそうだと思います)、最後の大切な学習時間を無駄にすることになり、下手するとその時間に学習しなかったら合格できなかったということにもなりかねません。
【解決方法】
・試験会場にはテキストを必ず持参する
これまで使ってきたボロボロになったテキストを必ず試験会場に持参しましょう。特に宅建業法や法令上の制限、5問免除科目の暗記がまだ十分でない方は、3時間くらい前に試験会場の喫茶店などに入り、時間ギリギリまで勉強しましょう。
・持参するテキストは1冊または2冊程度に
試験直前期になると模擬試験や直前講座などで配られる資料でいっぱいになっていることでしょう。それをそのままにすると試験会場に持ち込む資料もいっぱいになる可能性があります。
できる限り、一冊のテキストに情報を集約しておきましょう。模擬試験や直前講座で得たテキストに記載のない情報は、付箋に書き込み適当な個所に貼り付けておくとよいでしょう。
・流し読み&黙読を2~3回繰り返す
テキストには要点とかポイントとして、試験に出題されやすいポイントをまとめている個所があります(ないものは試験対策のテキストとしては不向きです)。もちろん、私の執筆するテキストにも“ここが出る”という項目で重要項目をまとめています。
そのポイントを試験当日に、暗記しているかどうかを確かめながら黙読してどんどん読み進んで行きましょう。その際、まだ正確に暗記できていない箇所をみつけたら、目を瞑り音読しながら指で書いて暗記しましょう。
2時間もあれば、宅建のテキストは2~3回は読むことができます。試験ギリギリまでこの学習方法で暗記しましょう。
《試験当日に読み返しておくべき記事》
・【2017年度・宅建試験】新判例のポイントと出題予想
・平成29年度宅建試験 ここが出る法改正
・平成29年度宅建士試験、統計問題対策と予想問題
3. 緊張しすぎてケアレスミスを連発する
一年に一度しかない宅建試験、しかもその後の人生設計に大きく影響するということになれば、緊張しないわけがありません。ただ、この緊張が過ぎるとせっかく合格できる実力があるにもかかわらず、力が発揮できずに不合格になることがあります。私が手塩にかけて教えてきた生徒の中にも、十分合格できる知識を持ちながら、数点足りずに不合格になってしまう方がいます。
【解決方法】
・試験直前に体を動かす
寒さと緊張で体がかたくなり、さらに緊張が増して行くこともあります。そのようなときは、屈伸したり、背伸びをしたり、軽い体操をしたりするだけでかなり緊張が解けます。
また、体を動かすことで、血流が良くなり、脳に新鮮な酸素を含んだ血液がたくさん運ばれることで、記憶した知識を試験時間内で思い出せるようにもなります。
・開始前に深呼吸と途中の休憩を忘れずに
試験開始の時は張りつめた空気を切り裂くようにカランコロンと鐘の音が聞こえてきます。緊張がピークに達する瞬間です。少しでも早くはじめたい気持ちをぐっと押し込めて、まずは大きく3回深呼吸して、一度頭の中を無にしましょう。
また、人間は2時間連続での集中力は続きません。必ず、途中で数十秒だけでも休憩をとりましょう。その際も、首を回すなど軽く体を動かし、深呼吸して一度頭の中を無にして、次の問題に挑みましょう。
4. 宅建試験問題を問1から順番に解いている
宅建試験は問1から順番に解くと実は合格しにくかったりします。はじめの問題は民法からの出題です。また別の機会に詳しく記事を書きますが、宅建試験の民法の問題は年々難問化しています。緊張が解けていない開始間もない時間帯に、難しい民法の問題からやりだすと、何度も読み返したり、考え込んだりして、あっという間に時間が経ってしまい、解けたはずの問題も解く時間がなくなって不合格になります。
【解決方法】
・暗記科目から解きましょう
5問免除されていない方は統計問題から解きましょう。5問免除されている方は、税法、法令上の制限の科目で直前に暗記したものから解きましょう。
試験開始の頭が真っ白になっている時は考える科目よりも暗記科目から解く方が、ケアレスミスが少なくなり、精神的にもベストです。
《関連記事》
・宅建合格への近道!5点免除講習で合格率が10%上がる
5. 時間を気にせずに一つの問題を解けると信じて取り組む
この日に向けて一生懸命勉強してきたので、難問に遭遇したときでも必ず正解を導けると信じて考えて込んでしまうことがあります。仮にその一問が解けたとしても、そこに5分~10分かかってしまっていたら、後で解けるはずの問題を2~3問解く時間がなくなることを意味します。【解決方法】
・わからない問題はどんどん飛ばしましょう
宅建試験は、約30問程度は過去に出題されている簡単な問題です。難しい問題を飛ばしてその簡単な30問から解いて行きましょう。飛ばすときは「後で考えれば解けそうな問題」「二択で悩んだ問題」「まったく勉強していないところからの出題」というように分けて、自分でわかるように問題にしるしをつけておきましょう。
6. 最初の解答をファースト・インプレッションだからと変えない
受験では最初に選んだ解答を後で変えないほうがよいと言われます。法律の試験でこれを頑なに信じると不合格になることがあります。【解決方法】
・趣旨と具体的イメージから出た解答は正解の可能性が高い
法律は、仮に条文や判例を知らなくても、法の趣旨を理解して、事件を具体的にイメージできれば、自ずと正解がわかったりするものです。したがって、試験開始間もない緊張の中で急いで解いた解答と後で時間に余裕ができた段階でじっくり考えて出た解答が異なっていたら、後者を選んだ方がよいでしょう。