パソコン、スマホ……身近にあふれるブルーライト
パソコンなどの画面から、ブルーライトがたくさん出ています
ブルーライトは、白色の光の中にも含まれています。これまでのブラウン管テレビからは、あまりたくさん出ていませんでした。しかし、薄型テレビからは、たくさんのブルートライトが出ています。
また、パソコンやスマートフォンからも、多くのブルーライトが出ています。これらの画面では、白く見えるところも、青と黄色を合成して白くしているからです。蛍光灯や白熱灯に比べて、LED照明からもブルーライトがたくさん出ています。
最近の調査によると、20歳代~50歳代のビジネス・パーソンは、1日平均11時間以上もパソコンやスマートフォンなどの画面を見つめています。画面から出るブルーライトの影響で、9割以上の人が目の疲れを感じ、多くの人が睡眠について悩んでいることも分かりました。
ブルーライトによる目の病気
ブルーライトを見過ぎると、視力を失うこともあります
最も大きいのは、目への影響です。ブルーライトは目の角膜や水晶体を素通りして、網膜に直接届きます。特に、網膜の中心にある「黄斑」がダメージを受けると、「加齢黄斑変性」を起こします。加齢黄斑変性は、進行すると失明する病気で、日本でも最近、急速に患者さんが増えています。
また、ブルーライトは散乱しやすいので、まぶしさやちらつきを感じたり、ピントを合わせにくい光です。ブルーライトを見ると私たちは、無意識のうちに目を酷使して、いわゆる疲れ目と呼ばれる眼精疲労や、目の痛みを起こしやすくなります。
そのため、厚生労働省のガイドラインでは、1時間のVDT(デジタルディスプレイ機器)作業を行ったときには、15分程度の休憩をとることが勧められています。
ブルーライトの身体への影響
そしてブルーライトは、目だけではなく、体全体にも影響をおよぼします。夕方から夜にかけて、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンが脳の中で増えていきます。このメラトニンの働きで眠くなるのですが、500ルクス以上の明るい光を浴びると、メラトニンが減ってしまします。
ブルーライトは、他の色に比べてメラトニンを減らす力が強いので、特に注意が必要です。眠る直前までパソコンやモバイル、スマートフォン、薄型テレビを見ている人は、それらの画面から出るブルーライトがメラトニンを減らして、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりします。
他にもブルーライトは、肥満やがん、精神状態との関係も疑われています。
専用メガネやフィルムでブルーライトをカット
ブルーライトをカットするメガネが、いろいろあります
睡眠の質を悪くしないためにもっとも良いことは、眠る前の1時間はディスプレイ画面を見ないことです。パソコンやスマートフォンを扱う時間を、夜から朝に変えれば、目覚めも良くなって一石二鳥です。
どうしても夜にデイスプレイを見なければいけないのなら、ブルーライトをカットするメガネやシートを使いましょう。
素通しのメガネをしてスマートフォンを操作すると、寝つきが悪く、朝起きるのがつらく疲れが残り、目の下にクマができやすくなります。しかし、ブルーライトを減らすメガネをかけると、質の良い睡眠が長続きし、翌朝目覚めた後もスムーズに活動を始められます。
ディスプレイの画面に貼るシートやフィルムも同じように、ブルーライトを防いでくれます。
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ブルーライト研究会
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